事例集ということですが、"360度評価"のダークサイドについては殆ど言及されていません。
この評価制度を推進する団体の立場としては、なかなかそういった負の面を紹介しづらい事情もお有りなのでしょう。
私のいる会社も360度評価を導入した会社のひとつですので、
負の面の補足の意味を込めて、そのときの体験を簡単に書かせていただきます。
会社の規模は社員数40名弱ほどですが、この制度の導入後、ほんの数ヶ月の間に重役を除く社員がほぼ総入れ替えになりました。
評価結果に則って、自ら辞めるか、もしくは退社させられたのです。
立場が低い者が立場の高い者を評価すると、その評価は低くなる傾向があるようで、
他の社員を引っ張っていくリーダータイプ(上司など)の社員が排除されるかたちとなりました。
上司というのは部下が何と言おうと決然と指示を下さなければならない場面もあります(部下の仲の良いお友達ではありませんからね)。
ですが、360度評価によると、そういった上司はマイナス評価を受ける傾向があるようです。
最終的には自己主張しない社内政治に徹するタイプの社員が残りました。
個人的な意見としましては、この壮絶な不況の時代を、仲良しこよしの社風で乗り越えられるかどうかは甚だ疑問です。
社内に昔のような活気がなくなり、残念でもあります。
この本をお読みになるのは人事を任されている方かと存じますが、
会社にとって真に重要なことは何かをご自身で考え、ご判断いただきたいと願うばかりです。