著者の論理展開や主義主張は非常に合理的だと感じました。
しかし、取り上げられているケーススタディの人たちの経歴をみるに
大企業もしくはそれに限りなく近い会社に、卒なく入社できた人たち
であると推測します。
筆者の主張の裏付けとして、これらの方たちの転職をめぐる紆余曲折
(というか大概は年収アップ又はやりがいアップの好事例)を掲載さ
れています。
でも、私を含めて一般的な若年層にはそのまま当てはまらず、参考に
しづらいかなと感じます。地方の中小・中堅企業で働く者にとっては
有名企業名や花形職種がキーワードとして何度も登場するので、読ん
でいて気おくれせざるをえません。
著者を含めて登場人物はみな「バリバリ仕事ができて、新しいことに
恐れずにチャレンジができる人間」です。いわゆる「ハイエリート」
です。
そうした今どきでいえば「肉食系」な人たちには、本書は最適な選択
を後押ししてくれる一助となるかもしれません。
最終章の「国がやるべきこと」は蛇足かと思います。著者は雇用政策
の転換を訴えています。大企業優遇をやめて、均等待遇を実現できる
ような法整備の構築が主訴かと思います。
上記のような若年層全体の労働条件を底上げする政策提言と本書内容
のほとんどを占めるハイエリートな人たちの転職遍歴の話がうまくリ
ンクしていない気がします。