私は将棋のことは、正直あまりわからないのですが、大大大好きな「ハチクロ」の羽海野先生の作品ということで読みはじめました。
1巻から、また羽海野先生にやられてしまいました。どうしてこんなに心にしみる漫画が描けるんだろうか?
勝ち続けないと居場所がなくなる厳しいプロの世界を10代なかばから一人で渡っていく零。
誰よりも優しい心を持ちながら、家族をなくし、たった一人で生きていくために、時には非情になり、心に壁を作る・・・
でも、そんな彼の心の壁を取り払い、本来の零の優しさを引出していくのが、あかりねいちゃん、ひなちゃん、
モモちゃんの可愛い3姉妹。あと、零を見守っている素敵なライバルたち。
孤独だった零が、だんだん人とつながっていく、救われていく。その過程がていねいに優しく描かれています。
同時に終わりのない戦いがつづく、プロの世界の孤独さ、どんなに負けてもボロボロになっても将棋を投げ出さないで
立ち向かってしまうプロのかっこよさも海野さんは力強く描いています。
5巻では、いつも明るいひなちゃんが中学校でいじめにあいます。いじめられていた友達をかばったために、自分が孤立していく。
教室でひとりぼっちになる怖さにおびえて泣きじゃくりながらも「私のしたことは、ぜったい、まちがってなんか ない!!」と
言い切るひなちゃんの強さと優しさに、胸がつまります。
零が自分が今度はひなちゃんに「一生かかっても恩を返そう」と、彼女にそっと寄り添っていく場面、これを読んだのが電車のなかでなければ
きっと泣いていました。
ひなちゃんが、大切な自分の居場所を守れますように、幸せになれるように願わずにはいられませんでした。
深刻な切ない話ばかりでなく、みんなに愛されまくりのかわいいモモちゃん、自称「親友」のライバル二階堂くん、
なにげに零を見守っている学校の先生、脇役ですがふくふくに肥えたねこたち・・・そんな癒しキャラもちゃんと活躍しています。
あと、あかりねいちゃんが作るお料理のおいしそうなこと!私もあかりねいちゃんみたいな女性になりたい(もう無理ですが)
6巻が楽しみで待ちきれません。零に憎しみ、愛情両方あわせもっているような義姉との関係も気になります。
でも、何よりもひなちゃんがとびきりの笑顔を見せてくれますように。