しみじみ男泣きの映画である。
今年は、2本のイーストウッド映画に尽きると思っていたのに、これは何とも嬉しい誤算。今日のハリウッド映画では死滅したかの如きジャンルの西部劇を通じて、男心の琴線にびんびんと触れる熱きスピリットを感じさせる快作だ。
その世界観は明快。ひとりにとっては“自尊心”と自己の“復権”についての、もうひとりにとっては“良心”についての問題。そして、相反する境遇、立場の男同士に、いつしか流れる共感と心意気。
57年製作のオリジナル版も観たが、そのテーマ、ストーリーをリスペクトしつつ、緊密性とサスペンスを深めながら、より人間性を掘り下げ、ドラマチックに加速させる。
上手いし、西部劇お約束のガン・ファイトもたっぷり盛り込んだサービス精神も見事だ。
何故にそこまでクリスチャン・ベイルは己の信念を曲げないのか、何故にラッセル・クロウは善悪が曖昧な行動を取るのか、緊張感を持続させながら、物語は、タイムリミットの3時10分に向かって進む。
稀代の悪党ながら、それだけでは終わらないクロウが良い。「グラディエーター」以後、最も魅力的なんじゃないか。
ラストの10分は手に汗握る。クロウの行動はヒロイックに過ぎるとも思えるが、やはりグッと来てしまう。
そして、、、「さすらいのカウボーイ」から38年、ピーター・フォンダも出ています!
“男”の映画だけど、女性にも是非お薦めしたい1本(西部劇などまるで関心ない辛口の家内も、強引な勧めに、ひとりで映画館に足を運び、面白かったと申しておりました)。