他の方のレビューを見ていると、妙にリアリティに関する突っ込みが多いが、その手の粗をつつく以前に、映画としての作りがかなり雑。
恐らくはある程度リアリティを無視してでも映画を盛り上げようとした部分が悉く失敗しているために、これだけの人々が細部を気にしてしまう結果になったのだと思う。
地下から脱出を試みる弟と、地上から救出を試みる兄、という構図こそが重要であるはずなのに、そこに変に奥さんがからんできたりするために結果として停滞感が生まれてしまう。人間ドラマは地下に任せて、地上では真摯なレスキューの様子だけを描くなど、役割を分けるべきではなかったか。妙にウェットなドラマを双方で見せてしまっているために、せっかくのスペクタクル映像が単なる前ふりになってしまう。
さらに問題なのは、地上でも地下でも大した動きを誰もしようとしていないこと。デタラメでもいいからとにかく動きまわる話にしたほうが良かったんじゃないだろうか。
終盤の展開は完全に蛇足。感動シーンにしたかったのかもしれないが、スローモーションは鬱陶しいし、あざと過ぎる。
東京を水没させるというアイディアと、廃墟と化した東京のビジュアルなんかは、似たようなことをやっていた「感染列島」よりずっとしっかりしているし、面白いが、中途半端に多すぎる登場人物をまとめきれなかった作り手の問題。