本作は、脚本が小森陽一なので、どうしても「海猿3」のイメージで観てしまうのだが、確かにその映像スケールは大きい。特に台風で壊滅となる都内の描き方は、非常に迫力があった。水を大量に使ったモブシーンなどは、ハリウッド大作にも負けない臨場感があり、主人公たちが地下鉄の旧新橋駅に閉じ込められるまでのプロセスも嘘っぽくない。フジテレビが大破するのもご愛敬だが、汐留の日テレ本社もかなり壊れているはずだ。しかし、問題はその後のドラマ部分にある。迫力のVFXに比べると、途端に話が小さくなるのだ。東京消防庁は大活躍しているが、自衛隊や警察がほとんどいないっていうのも何だし、また政府の動きが見えないのも不自然。鉄砲水の恐れがあるのに、新橋のホテルに対策本部というのも現実感がない。また、夫ではなく、娘だけを心配する桜井幸子の役も「台本読んでるから知ってるの」くらいの余裕ある演技で、ちょっと場違いだった。まあ、場違いといえば香椎由宇演じる気象庁の職員もそうだったが。それと、閉じ込められている方も、それぞれの事情が軽すぎて、入り込めなかった。山田孝之の芝居は真に迫っていたけれど、医者の卵っていうのは説得力に欠ける偶然だ。このあたりをもっと書き込めば、抜群に面白くなったのに・・・総合点で星3つ。