「不動産投資」と「海外ファンド投資」の組み合わせで今後の賃貸経営を乗り切ろうという異色の不動産投資本。
著者は投資家であると同時に不動産会社を経営しており、業者とオーナー両方の立場を熟知している。
その著者によれば今後の賃貸運営は人口減少による「空室率の増加」に悩まされることになるだろうと説く。
不動産は出口も重要なのだが、著者は朽ち果てるまで持ち続けよと言います。
理由は売却してしまうと「税金」で利益を持っていかれてしまうからです。
特に所有してから5年以内の短期譲渡所得は税率が39%にも上ります。
投資の中でもワンンルームマンション投資は経費・税金で持っていかれてしまうので、
立地のいいところのものを「一括現金買い」するしか成功する手段はなく、多くの資金が必要になるので基本的に資金の少ない方には無理。
基本的なリスクヘッジの第一は物件を安く買うことにあります。
エリアは大都市圏から100キロ以内前後が土地値と収益のバランスが良くなるエリアのようです。
そして「2対1の法則」を提唱。中古アパート2棟買ったら次は新築を建てなさいということ。
減価償却や大規模修繕のバランスを考えるとそれがちょうどいいらしいです。
賃貸運営のパートナーともなる不動産会社は
・接客スペースがカウンターのみの会社
・ネットに強い会社(ネットの掲載物件は売れ残りのみ)
・事務所自体が狭い会社(資金力に問題が・・・)
という駄目な会社の見分け方を挙げています。
不動産業界は依然としてアナログな世界で「マーケティング」の発想が未だに根付いておりません。
だからこそ大家さんがマーケティングを学んで、逆に集客の技術を不動産会社に教育していかなければならない。
そして、この本の本題である海外ファンド積み立てによる利回りの低下を補う方法。
単純に言えば「投資信託の購入」なのですが、ここでいう投資信託は日本で販売されているものではなく、
香港で口座を開いて購入するものを指します。
香港では日本のように利益に対して高い税金を取られないので投資に対する利回りがグッと上昇するのです。
基本的には香港まで行って金融機関に口座を開いて資金を入れてから「ドル・コスト平均法」による毎月の定額積み立てをしていきます。
英語や中国語を話せない方がほとんどでしょうから、アドバイザーを日本で見つけてから現地に行きます。
基本的に日本は今後は「縮小社会」ですので、海外への投資比率を高めないと年金不安やインフレリスクに対処できなくなっていくでしょう。
そういう意味での資産の海外への避難。そして運用自体は別の本でも説かれていますので手法として検討の余地はあります。
但し、この本の構成は不動産投資について前半から後半で長々と述べた末に最後の最後で「海外ファンド投資」について話すというようで、
どう考えても「回りくどい」構成になっております。
さらに本のタイトルが「利回りが下がらない」としていますが、これだと不動産自体の利回りを下げない秘策があるかのような誤解を植え付けます。実際は不動産の空室率の増加による利回りの低下を「海外ファンド投資」で補おうというだけの話。
25年間という期間にも根拠が見られません。
但し、不動産投資の最初の1棟は「中古戸建」にしなさいという点には同意見です。
特に資金が少ない方は200〜300万円前後で取得する中古戸建をリフォームして貸し出す手法が最適かと思われます。
ワンルームマンションと違い「土地が残る」点と、ファミリータイプの駐車場付きが多い点でターゲットが広くなり有利です。