彼らは、デビュー時から革新的であろうとしてきた。そして概ねそのバンドの歴史を振り返っても、懐古にひたることなくストイックに新しい地平線を切り開いてきた。そういう意味ではプログレッシヴな人たちだ。
そこに登場した本作。20年以上前に発表された三作目のコンセプトアルバムをアップデイトしたという触れ込みだが、正直、過去の縮小再生産だったらどうしよう、という危惧もあった。
結果は、確かに過去のレパートリーを愛おしく大切に再演している部分はあるが、決して縮小再生産にはしない、という彼らの意気込みも充分感じられる。ナレーターや女性コーラスの客演も含め、音源とのシンクロという彼らの十八番を敢えて取っ払う気前の良さも魅せるし、ヴィジュアルも久しぶりに近未来的というか煌びやか。そして、イエスやデフ・レパードで有名な全方位ステージに、音響的にも全方位となるPAシステムを完備させ、まさに21世紀の映像音響への拘りも見せつける。
むろん、彼らの演奏、楽曲に充分な魅力があるのは言うまでも無く、20年前よりもむしろオーガニックに骨太となった感もある。ファンとしては嬉しい限りだ。
次回、新録新曲での新たな展開でこそ、最高傑作を見せつけてほしい、との期待を込めて星は4つ。