これまでの歴史を人間の欲望と、それを表面化した軍事・宗教・市場という観点から整理したうえで、についてこれらを最大限増幅させると21世紀がどうなりそうか、ということを表した本です。
これからの数十年で、人間の欲望の増幅により「超帝国」と「超紛争」が起きるとしています。これについては結構過激な内容で占められており、「???」な部分もあるのですが、人間の欲望のみを増幅させるとさもありなん、という感じです。
そして、これらによる世の中の終焉に対する危機感を基にして(危機感が増幅すればですが)、「超民主主義」が生まれるとしています。これは著者の活動領域でもありますので、結構気合が入っていますが、こちらも人間の持つ真・善・美という本能を増幅させることで出てくるということです。
そのうえで、市場経済と社会的公正の両輪がうまく働くことで21世紀の混迷を乗り越えることができる、としています。
あくまでも未来シナリオの一つではありますが、人間の本性を上手く捉えたものだと思います。また、本書では最近の経済危機の原因でもあるアメリカのサブプライム問題を予測しており(原著初版は2006年)、これが本書の信憑性を高めていると思います。
なお、翻訳が上手くありません(専門用語が難解というのではなく、基本的な日本語レベルの問題です)ので、原著が読める方は原著をお薦めします。