日本の大企業は当然ながら中堅中小企業にとっても、韓国企業との結びつきは重要性を増している。今後の日本産業界を予測するうえでも、彼等を良く理解しておく必要があるだろう。サムスンの場合、半導体という市況がボラタイルな製品を主力製品の一つとしている強さ、またリーマンショックの影響を最小限に喰いとめた経営戦略の秘訣とは何なのか、私はその「組織」に興味があり知りたかった。但し、本書は「入口」も「出口」も創業一族である李一族に依拠している。そのためサムスンのマーケティング力や今後の成長戦略等、組織の分析については別書を頼ることとする。本書を通じて学べたことは、疑いようもない李一族の経営者としての資質の高さと、著者が取材したところに基づく韓国人の発想や視点。韓国企業と付き合いのある方は韓国への出張の飛行機の中で読むのにお勧めする。全般的に楽しく読ませて頂いたが、副題に係る論点については、やや論証が不足していると感じられたので☆4とさせて頂いた。