坂本氏が別の出版社から出した近著「楽園実現か天変地異か」と同様の本がハート出版からも出されるとは何となく予想していました。これまで坂本氏のベストセラー本を出してきた同社が、坂本氏が友人の山川氏から声をかけられて山川氏の出版社から出した近著の大ヒット本を横目で見ながら、坂本氏のお弟子さんの本に坂本氏の推薦文をつけて、内容とは異なるのに無理やり「2012年」のタイトルをつけて大きく宣伝していたこともあり、本を売ろうとやっきになっている姿勢を感じていたからです(個人的には私はハート出版の心温まる動物の本や江原さんの本などは大好きだっただけに残念に感じます)。
今回の「2012年 目覚めよ地球人」というタイトルからは、1999年のノストラダムスや往年のUFOブームの際の「目覚めよ地球人」のフレーズを思い出しました。しかし最近の「2012年12月21日に何が起こるか」の監訳者の浅川氏がマヤの長老のトップの人から直接聞いた話では、マヤ暦が2012年に終わるというのは、一人の研究者の説が一人歩きして世界中に広まったもので、実際にそのような解釈ができるはっきりした根拠は何もないということです。
2012年12月21日に何が起こるのか?―マヤエンドタイムwithクリスタル・スカル (超知ライブラリー 35)もし1990年代にヘミシンクのブームが起きていたら、自称・高次元の存在は「1999年に人類の運命は二つの選択に分かれる」と伝えてきたのではないでしょうか?そしてそのために特別な瞑想をしなさいという指示や、それを伝える役目の坂本氏は特別な選ばれた存在だと伝えてきたのではないでしょうか?
私個人は、もし本当の高次元存在であれば、「おまえたちの選択する道は2つに一つだ。2012年には必ず変化が起こる」という、上から目線の決め付けた言い方は(たとえ本当にそういう運命が待ち構えていたとしても)決して言わないように感じます。まず人々に恐怖と不安を与えてから、断定的な口調で特別な回避策を押し付ける言い方は、天使の仮面をつけた低級霊のとる典型的なパターンのような気もします。人類の覚醒と楽園実現という明るい未来か天変地異かの選択は、強制されるものではないように思います。地球人の覚醒が間に合わなかった場合に天変地異を起こすので、死ぬことに恐怖を感じないように人類に魂の永遠性を教育せよというのはまるで家畜の調教のようにすら感じました。
それとは対照的に、著者については、「銀河全体を統括する存在」という、とてつもなく大きな存在から、「私の20人いる息子の中の重要な5〜6人の息子の一人だ」と言われ(息子に優劣をつける父親もどうかと思いますし、娘はどうなのかとも思いますが)、さらには、「あなたはトップだ」と称され、アセンションに関しては「あなたが世界で最初に卒業する人となる」と、著者が地球人の中で最も偉大な人物であるとされています。ここまでくると、これは著者のエゴをあやつる低級霊なのか、著者の潜在意識のエゴの妄想なのかの区別すらつかなくなりますが、読者の中には著者を崇拝する人たちも出てくるのでしょうか。
かと言って、私は2012年やアセンション説は、人類の目覚めをうながす意味で、とてもよい刺激と啓蒙の機会になるものだと個人的には感じています。しかし、あまりにもあからさまに「2012年」と「人類に迫り来る運命」をセンセーショナルに訴える傾向は、それが出版社の意図であっても著者の意図であっても、それは料理の焼きすぎのような有害な焦げを作ってしまうことになるように感じて危惧しています。