これまで、一投資家の目線で経済・ビジネス書は幅広く目を通しており、我国のマスコミの幼稚なレベルは十分認識しているつもりでした。しかし、この本を読むと、誤解していることばかりで、自分のレベルの低さに唖然としました。
データーが豊富でこれまで語られなかった切り口であり、投資家必読の書と言っても過言ではありません。特に、日本の将来に否定的な方には、この本を読んで、こんな肯定的な見方もあるのだと知って欲しいと思いました。
日本国民を奮い立たせるために無理に書いている面もありますが、将来の判断はこの本を読んでからでも決して遅くはありません。
筆者の結論から述べると、今の日本はGDPを増やす努力が最優先課題。
なりふり構わずGDPを増やしている中国を少しは見習ってほしいと主張。
政府の負債対GDP比率が最も重要で、負債の絶対額は問題ではない。増税でGDPを低下させるのが最悪の政策。子供手当は国民に対する所得移転で無駄の極地。GDPが直接拡大する形で政府がお金を使わなければならない。
名目GDPが生長すると「GDPから政府に分配される所得」である税収が増える。
具体的な項目は以下の通り。
1. 世界で起きている財政破綻危機の正体。日米の国債:自国の通貨建ての国債がデフォルトすることはあり得ない。もちろんインフレの可能性はあります。
2. 米国発の恐慌がついに始まる。財政黒字の意味と財政赤字の本当の意味。米国のデフレとティーパーティー発の恐慌。アメリカはマネタリーベースの拡大でドル安を誘導し、輸出増によって他国の雇用を奪う戦略。TPPもその一環。
3. 崩壊に向かうユーロの未来。ユーロは単なる壮大な実験。
4. 中国を破滅に導く国際金融のトリレンマ。GDPと外貨準備高が中国に抜かれたので、てっきり中国経済はそれなりに上手く行っているのだと思っておりましたが、とんだ誤解でした。
5. 日本は世界経済の[最後の希望」。日本国民はせめて気概だけでも、バブル崩壊後の新生長モデルを率先して構築し、世界経済を牽引すると考えるべき。
6. 2012年に起こる経済大動乱。