中国関連の書籍は巷にあふれているが、本書は中国書籍出版が専門に老舗蒼蒼社より刊行されており、まずその点で信憑性が高いといえよう。
著者は「等身大の中国」の姿をとらえることに力点をおいており、今日よく見かけるエキセントリックな中国論とは一線を画している。
本書では今年からスタートした第12次五カ年計画の指導思想、主要政策が丁寧に解説されており、分かりやすい。
また、指導者の重要講話、政府・党の重要文献及び五カ年計画要綱全文が掲載されており、資料集としても活用できる。
それらを踏まえた上で、中国のマクロ経済政策の特徴、中国の中長期的発展を阻む構造問題について詳細に論じられており、読み応えがある。
殊に第5部「中国経済の行方」において、日本の高度成長からバブル崩壊までを中国の現状が対比検討されており、興味深く読める。
さらに「終わりに」においては、「中国は大国か否か」という問題が日本の大相撲の横綱に例えて論ぜられていて、著者独特の視点が説得力を持っている。
値段はやや高めだが、十分価格に見合う価値のある良書と思う。