せっかくのLIVE映像であれば、オーディエンス側が
より生に近いLIVE感を求めるのは当然のことである。
しかし本作品にそれを期待して観ると今ひとつスカッとしない、
何だか居心地の悪さのようなものを感じてしまう。
歌や演奏は抜群にうまい。
CDで聴いていた彼らの演奏を映像で観られるということ自体は
まぎれもなく感動を覚えずにはいられない。
それは、すでにレビューにも出ているようにカットの切り替わりが激しく、
映像自体もよりアーティスティックな方向に向かっているため、
あたかも自分がそのLIVEハウスの客席にいるような臨場感に欠けるのである。
しかしこの点こそがELLEの細美武士とHIATUSの細美武士が求める音楽を
表現するスタイルの違いなのではないかと思う。
あくまでもELLEの延長を期待して聴くのなら、HIATUSというバンド自体の
評価、受入れ方も変わってくるだろう。
しかし細美武士は、別の可能性を探ってすでに進化している。
そういった意味では、今後の彼の方向性を大きく左右するバンドが
このHIATUSであり、彼らの音楽を表現するスタイルがLIVE、DVD等の
メディアによって異なることは受け入れざるを得ない。
どうしてもそれに違和感を感じる人は、自然と聴かなくなるだろうし
そもそも音楽は強制されて聴くわけではないから、気持ちよくないんなら
聴かなければいいだけのこと。
実際のLIVE作品としてのクオリティは非常に高く、満足いくものだった
ので本来は満点としたいところだが、やはり正直言うと自分自身も当初
みんなと同じくLIVEでの臨場感を期待していたので−1とした。
でもまだまだこれからも目が離せないバンドだと思う。