あの時、シネラマの大画面に映し出された映像には驚くべきパワーがあった…。40年の歳月を経て、世紀が変わった今もなお、これほどの輝きを保った映画がかつてあっただろうか。登場する宇宙船のプロップもインテリアのセットも完璧。
モニターに映し出されるグラフィックはいずれ現れるであろうCGを想定した手書きのアニメーションだった。エアリーズ号の内部で放映されているテレビはハイビジョンのごとき横長画面。宇宙空間での無重力表現。白と黒の深淵の宇宙と色彩あふれるスターゲート。すべてが本物の迫力で迫ってくる。当時はどうやって撮影されたかが理解できない別世界の映像だった。CG世代にはピンとこないかも知れないが、おもちゃのようなSF映画が氾濫していた時代に突如現れた突然変異の映像だった。しかも知恵と工夫で光学的に作り上げた映像なのだ。400万年の時を一気に飛び越す編集にも度肝を抜かれる。テーマは深い。生物の進化を神の領域にまで踏み込んで描いたとてつもない志(こころざし)があった。キューブリックだけでなく、映画に関わった全てのスタッフに拍手喝采を送ろう!才能溢れる人達の手による芸術作品だ。古い映画だけに米国版では一部に色ムラも見受けられた。しかしこの映像をHDで堪能出来るだけで幸せを感じられるはず…。ちなみに画質は決して悪くはない!宇宙船のディテールはDVDのそれを遥かに凌いでいるし、特撮の粗(あら)がわかってしまう場面もある。間違いなく「買い」の1枚。