近江商人の「三方よし」の精神、商人の正直さを説く「石門心学」の教え等をはじめとして、古くからの経営哲学を現代の経営に生かす「200年企業」が、日本には先進国の中で最も多い。約3,500社存在している。本書は、2010年の現在でも日本経済新聞に連載が続くこれらの長寿企業の、これまでの連載分のまとめである。
やはり古くからの伝統を大切にする「酒造」「旅館」「民芸・工芸」「和菓子」等々の業種に200年企業が多い。決して、ビッグ・ビジネスばかりでないのがいい。むしろ中小ないしは零細企業が多い。
特徴的なのは、それぞれの会社が独自に生み出した独自のコア・コンピタンスを有する企業が生き残ってきたということであろう。
あの「ビジョナリーカンパニー」は、時代を超える生存の原則なるものを提示していたが、そこで調査対象とされたビッグ・ビジネスの多くが、2008年以来の金融危機に多大の影響を受けたことを考えると、日本のこれら「200年企業」がどっこい逞しく生き残っているのは、なかなか痛快なことではないか。