米国のユニラテラリズムは今に始まったことではなく、ベトナム戦争はその最たるものです。ただ、個々の政策の失敗など問題ではないほど、経済的、政治的、文化的ファンダメンタルズ(基礎的条件)の強さは突出しており、今後も揺るがないでしょう。
欧州連合(EU)は経済的には米国の競争相手ですが、軍事的、政治的には利害がほぼ一致しており、米国に成り代わろうとする理由がありません。中国はまだ発展の初期段階にあり、経済規模はイタリアより小さいのですから過大評価は禁物です。
昨今はテロリズムの脅威がクローズアップされていますが、これは過去50年にわたる中東諸国の政治的失敗が生んだ一時的な病に過ぎません。今回も米国の独断専行は批判を受けましたが、サダム・フセインを排除し、中東の安定と平和を前進させるという結果を出したのですから、後年の歴史家には評価されると思います。
ただ、米国流リーダーシップは矛盾を内包しています。自由市場や民主主義といった理想を世界へ広めるほど、中国やインドが経済発展を遂げ、結果的に米国の優位性は低下するのです。50~70年後、世界の安定が揺らぐ時が来るかもしれません。
(日経ビジネス 2003/08/18 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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