このグループの実力的にも商業的にも、文句無く全盛期だった、1968年から1975年ごろまで在籍していた、ブランズウィック在籍時代のベスト盤はさまざまなものが出ているが、内容はどれもさほど変わらないので、ここでは正統らしく(リイシュー・レーベルとしての)ブランズウィックからのベスト盤を。実際は手に入るものを聴けばいいだろう。
チャイ・ライツは1970年代初頭のソウルのメロウ化/スウィート・ソウルの波にうまく乗り、1970年代前期のシカゴ・ソウルを代表するグループとなった。代表曲“Have You Seen Her”や、“Let Me Be The Man My Daddy Was”のように、スキッとして清冽な味のスロウ・ナンバーが主に好まれているのだろうが、硬派なメッセージを持ったファンキー・チューンもこのグループが得意としていたところで、“(For God's Sake) Give More Power To The People”は必殺である(ジョン・レノンの“Power To The People”発表の前年に登場したことは記憶されるべし)。プロデュースはもちろん(ブランズウィックの専属プロデューサー)カール・デイヴィスが担当、キリッとしたリズムを土台に、華麗なストリングスやホーンで作品を彩っている。グループの中心人物のユージーン・レコードのソングライティングの実力は際立っていた。個人的には“I Like Your Lovin' (Do You Like Mine)”のようなファンキー・チューン(しかも初期の)のほうがずっと好きで、スロウのほうは、聴いていて確かに心地良いのだが、もっとガツンと力強く攻める部分もあればなぁ、とも思わされる。厳しく言えば聴いていて喰い足りないのだが、ただ、ロマンティックで心地良いグルーヴを持つのは確かだから、そういうのが好きな人にはおすすめである。