原作は未読。Wikipediaに相当詳しく登場人物等が紹介されているので、それが参考になった。というか、それを参考にしなければならないことが本作の性格を物語っている。
本作は全3章の最初の章で、登場人物がとにかく多く、前半は人物の顔と役割を追いかけるので精一杯。後半、特にオッチョの(唐突な)日本への帰国からはクライマックスに向けてそれなりに楽しめるが、一部画面が暗すぎて何をやっているかわからない箇所がある。全体的に一連の事件を筋の流れの中に配置するのに忙しく、個々の人物の内面への掘り下げが十分ではない。第3章まで見ればその点も納得がいくのかもしれないが、第1章だけで売り出すなら、それだけで1本の映画として満足できるよう、脚本を整理すべきだったと思う。スター・ウォーズ第1作(エピソード4)程度の登場人物の数に絞るとか。
とはいえ、主人公ケンヂ達と同世代の者にとっては共感できる場面も多い。原っぱの秘密基地、友人と空想を膨らませたこと、人類初の月着陸のTV中継、大阪万博、中学でロックに目覚めたこと、T.レックス等は自分も体験したことなので、「ALWAYS三丁目の夕日」よりも懐かしさを強く感じた。確かに昔の空想が突然現実になれば悪夢である。見方を変えると、ベースになるこれらの事柄の実体験のない人に、本作、特に主人公達の子供時代はわかってもらえただろうか。私のような20世紀少年だった者が支持しなければならない映画なのかもしれないが、それにはもう一工夫欲しかった。