原作の流れ自体が秀逸だった第1章だが、第2章からは少々まとめるのが難しい設定が多くなり、それによって映画自体にかなり無理が生じている。
最大の欠点は、原作では大幅に「登場人物の過去」をエピソードとして挟み、それによって様々な疑問を解消し、キャラクターへの共感を高め、次の展開への伏線にしているのだが、この映画では尺の関係でそういったことはできない。結果として、「現在」起こっている出来事をとにかく見せ続けることになるのだが、それだと色々と無理が出てくる。結果として、なんだか駆け足で色んなことが起こるけど、肝心なことは何一つ分からず、結局答えが引き伸ばされただけ、という印象である。
予算が多い分、要所要所の映像は凝っているのだが、堤幸彦の演出はどうしても安っぽく、テレビドラマ的になりがちで、もったいない。
キャストや大筋、セットなどは確かに原作に忠実で、その再現度は目を見張るものがあるし、それ自体がひとつの売りではあるものの、3部作で60億もかけてやることだろうか、とは思う。原作どおりの絵面を作ろうとしている場面も多いが、ただ単に画作りが面倒だからやっているとしか思えない。
3作目で原作と違う結末を売りにしているようだが、それをやるなら1作目、2作目でも何らかの仕掛けを用意して盛り上げるべきだろう。あまりに何の工夫もなさすぎる。
話のテンポ自体はいいし、「原作と違う結末」とやらに対する期待もなくはないので、追い続けようとは思うが、積極的に薦めたくなる要素はあまりない。