書名で書かれているように2時間でわかるかどうかは別として、「新選組」のことに関心を持ち始めた方におススメできる本です。
年代的には箱館で倒れた土方歳三まで追っていますので、激動の幕末という時代を新選組の側から追うことでまた違った幕末の姿が見えてきました。書名にもあるように新選組の入門編といった性格を持ちますが、文章が読みやすく、ところどころに地図やイラスト、図が挿入されていますので、文章だけの本よりはずっと取っつきやすいものでしょう。
一方、過去に書かれた本をまとめているわけですから、とりたてて新しい発見は少ないですから、そのあたりの内容の深さは、新選組フリークの方には物足りないと思われます。当方は土方歳三の才能に惹かれますので、楽しく読ませてもらいましたが。
若い頃から新選組には関心があり、結構いろいろな本を読んできました。子母澤寛の『新選組始末記』や『新選組遺聞』、司馬遼太郎の『燃えよ剣・上下巻』や『新選組血風録・新装版』という名著や、大石学の『新選組』や松浦玲『新選組』などハンディな体裁の啓蒙書もありますので、次のステップとして必要な書籍が控えています。新人物往来社はこの幕末に関しては数十年前から相当な出版量を誇っており、『歴史読本』のバックナンバーもまた貴重な情報源となることでしょう。ご存じでしょうが、ご参考までに。
本書の章立てです。
プロローグ まず、地図や年表で時代背景をおさえよう 第1章 新選組人物列伝 第2章 新選組という組織の秘密 第3章 新選組ライバル列伝 第4章 新選組事件簿 第5章 新選組奮戦記 第6章 新選組最後の聖戦
著者の中見利男さんは、作家でジャーナリストでした。
壬生寺、島原、西本願寺、屯所の八木邸、池田屋、近江屋、寺田屋をはじめ、伊東甲子太郎の暗殺場所、芹沢鴨の墓など、京都には幕末の舞台となった場所や史跡が多くありますので、本書を片手に散策するのもよいでしょう。