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2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書)
 
 

2円で刑務所、5億で執行猶予 (光文社新書) [新書]

浜井浩一
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

おかしいぞ日本の司法と犯罪対策。さまざまな“犯罪神話”を解体し、事実に即した犯罪対策・刑事政策を提案する。

出版社からのコメント

◎おかしいぞ、日本の司法と犯罪対策。
「問題は少年犯罪ではなく高齢者犯罪」「死刑に犯罪抑止効果はなく、かえって暴力を促進する」など、さまざまな"犯罪神話"を解体し、事実に即した犯罪対策・刑事政策を提案する。

罪罪とと犯罪予防
減る少年犯罪、増える高齢者の犯罪/間違いだらけの犯罪対策/エビデンスに基づいた犯罪対策----キャンベル共同計画/
刑事政策編(刑罰)
検察官のさじ加減ひとつ/人はなぜ犯罪を犯すのか----犯罪理論について/法律と科学/ポピュリズムと厳罰化/貧困と犯罪/「刑務所太郎」はなぜ生まれるのか?

●今問題なのは少年非行ではなく高齢者犯罪
●「昔はよかった」は大ウソ
●街灯を明るくすると犯罪が減る
●徴兵制や新兵訓練は非行を抑止しない
●犯罪の認知件数と刑務所人口には因果関係がない
●刑務所に入るかどうかは犯罪の重大性と関係ない
●裁判で真実は明らかにならない
●人が更生するために必要なものは?

【著者紹介】
浜井 浩一(はまいこういち)
一九六〇年愛知県生まれ。龍谷大学大学院法務研究科教授。専門は、刑事政策、犯罪学、統計学、犯罪心理学。早稲田大学教育学部卒業後、法務省に入省。矯正機関や保護観察所で勤務。法務総合研究所の研究官や在イタリア国連犯罪司法研究所の研究員を務め、犯罪白書の執筆にも携わる。海外の犯罪の現状や刑事政策にも詳しい。共著に『犯罪不安社会----誰もが「不審者」?』(光文社新書)、編著に『刑務所の風景----社会を見つめる刑務所モノグラフ』『犯罪統計入門----犯罪を科学する方法』(以上、日本評論社)、編著に『家族内殺人』(洋泉社新書y)などがある。


登録情報

  • 新書: 240ページ
  • 出版社: 光文社 (2009/10/16)
  • ISBN-10: 4334035302
  • ISBN-13: 978-4334035303
  • 発売日: 2009/10/16
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (16件のカスタマーレビュー)
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By 革命人士 トップ500レビュアー
形式:新書
刑務所に入っているのはすべて受刑者。全員が人権を制限され、最低限の生活を保障された平等な社会。同じ境遇のムショ仲間たちがいて、刑務官も自分を無視はできない。行動の自由も冷暖房も全くない刑務所生活はあまりに過酷なのに、「戻りたい」と罪を犯し、戻ってしまう。飯や居場所だけではない。娑婆には自分を顧みる人が誰もいないし、行き場もない。高齢化する刑務所には、そんな身寄りのない受刑者が集まっている。受刑者の中で出来が良いものは「経理夫」という、炊事、洗濯、清掃など刑務所の維持作業に従事し、刑務所内の優等生として毎日風呂に入れるなどの小さな特権を享受するのだが、そんな「刑務所エリート」は刑務所内で自己実現を図り、依存してしまう。更生、ひいては犯罪抑止で一番大切なことは、厳罰化でも監視社会でもなく、立ち直らせたいという人と出会い、それを通して、社会での役割、居場所を確立することだという。著者は、地域での生活支援、支援者との関係作りが更生に最も重要であることを指摘する。

2章立ての1章目、割れ窓理論や新兵訓練式処遇について実効性を否定する話、「少年、凶悪犯罪の増加」という神話を明確に否定する冒頭部も面白かったが、心に残ったのはやはり第2章の後半部だった。日本は特にその傾向が強いが、判決ですべてが終わったような感じがあるが、犯罪者の人生はその後も営々と続く(死刑でなければ)。「罪を憎んで人を憎まず」、使い古されたフレーズだが、刑期を終えた元犯罪者を社会が受け入れる度量がないと、犯罪社会化が加速する。厳罰化で死刑や超長期刑で社会から隔離すれば、個人は排除できるが、根本的な解決にはならない、と痛感した。
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23 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 悠水
形式:新書
刑法や刑事訴訟法に関心を持ち、いろんな本を読んできました。刑事政策や犯罪学の本も何冊か読みました。ただ、それらの本はいわゆる「教科書」であったため中身は非常に難解だ、というのが印象です。

この本は236頁余りの新書ですが、刑事政策や犯罪学について自分の凝り固まった頭を揺さぶらせてくれた1冊です。

随所にユーモアたっぷりな文章も読んでいて飽きませんでした。

ぜひ手にとって読んでいただきたい本です。
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25 人中、21人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
 “少年犯罪は凶悪化し、外国人犯罪も増加の一途をたどっている。治安が年々悪化するのは、家庭の教育力が低下したこと、地域のコミュニティが希薄化したこと、なにより個人のモラルが低下していることが原因だ。教育ではもっと道徳やモラルを重視すべきだし、犯罪者の刑罰を厳しくすることが必要だ。そうしなければ治安は回復しない・・・。”

 本書は、日本の治安に関して以上のような印象を抱いている一般人に対する静かな挑戦状であり、各種の統計データや最新の研究成果を武器に、日本の治安は一貫して安全に保たれており、暴力犯罪という視点から見れば日本は世界で最も安全な国であること、少年犯罪も増加していないこと、現在問題なのは高齢者犯罪の増加であることなどを主張している。

 治安に関しては、わたし自身、日本の治安は昔より悪くなったような印象を抱いていた。それは、自分や身近の誰かが犯罪に巻き込まれた結果抱いたものではなく、新聞報道などを通じて抱いたものであった。しかし、様々なデータを引っ提げた本書を読んだ後もなお同じ印象を抱いているかと問われれば、それは明白に「No」である。

 もうひとつ、収穫があった。法律学や法律家が果たすべき役割とその限界について有益な示唆が得られたことである。本書の148頁以下に「法律と科学」と題された節があるが、ここでは法律家の論理的思考が非科学的であるかが少々滑稽な形で例証されていた。著者は「法律家は、論理の組み立てでものを考える。そして、論理的な思考が科学的な思考だと勘違いしやすい。」「法律家は、法律の専門家、つまり、問題を法的に処理する専門家であって、社会問題を解決する専門家ではない。」と指摘したうえで、「餅は餅屋、役割分担が大事で、何でも法律家に任せてしまうと、形式的な処分ばかりが横行しかねない。」と主張する(159-160頁)。もっともだと思う。

 統計は扱う人によって様々な意味に解釈される危険が伴う。ひどいときには、統計を取る段階で結論を誘導することも行われる。しかし、本書についていえば、その意味での恣意的な誘導・解釈が行われている形跡は見られなかった。用いたデータが何であり、どういう解釈をしてこの結論を導いたのかが明らかになっている。分からないものは分からないと書いてあり、主観的・恣意的解釈は慎重に避けられている。学問的良心に根差した記述に敬意を表したい。
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