ジョージ・オーウェルの小説『1984年』を映像化.
ストーリーは淡々と進んで行くのですが,其れだけに此の描かれた世界の不気味さ,不快さがより伝わってくるのではないかと思います.
中でもラスト.主人公のウィンストンが思想警察の拷問から解放された後,街中のテレスクリーンから流れてくるニュースを見て「ビッグブラザー万歳!!」を連呼するシーンは,此の淡々と進んで行くストーリーの中でより一層,此の世界の不気味さ,と言うよりはある種の恐ろしさを感じるのではないでしょうか.
「ビッグブラザーをやっつけろ!!」と言っていた人間が「ビッグブラザー万歳!!」と見事に変貌し,歓喜の笑顔でいるのですから….
ウィンストンは国家が,世界がどうであれビッグブラザーの庇護の下でいる事が幸せだと感じたから歓喜でいるのかもしれない.然し,今,此の現実の世の中が,ビッグブラザーの下で監視され,制約が多々あり,異を唱える事を許されない状態になったら.其れは矢張り幸せだとは思えないね….
何にせよ此の様な独裁体制の世界はイヤだな…と小説に続き,此の映画を観て改めて思った.
小説の内容をほぼ再現しているので,長い小説を読むのに疲れたら此の映画を観て先に予習,其れから小説に戻る.なんて言うのもありかもしれません.其れだけ良い作品です.