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物語は、4月のある晴れた寒い日の13時頃始まります。何でもない普通の始まり方で、特に何の感想も抱かず読み進めてゆくと、そのうちに「これはちょっとおかしい」と言うことに気が付くでしょう。全編を貫くどんよりした閉塞感は、全体主義国家に漂う雰囲気そのままであろうもので、なかなかの空気感を持っています。
特に印象的なのは、作中に何度も登場する党の3つのスローガンです。
WAR IS PEACE(戦争は平和である)
FREEDOM IS SLAVERY(自由は屈従である)
IGNORANCE IS STRENGTH(無知は力である)
一見、何を言いたいのかサッパリ分かりませんが、物語の後半に明らかにされるこのスローガンの真の意味を知ったとき、国家の狡さと言うものは、時や国をも超えて共通するものであると思い知らされます。例えば現在の日本においても、部分的には上記スローガンのどれかが当てはまる状況(現場)は存在しているわけです。
その意味からも、単に社会主義を批判したものではなくて、体制(国家や企業)と個人の最悪の関係性を描いた反ユートピア作品として、現在の高度情報化管理社会にも通じる問題意識を持っており、決して過去の小説ではありません。
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