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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
下村治と山口二矢をご存知ですか?,
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レビュー対象商品: 1960 沢木耕太郎ノンフィクション7 (単行本)
激動の1960年代。その社会の断片を鮮やかに描ききった2編の長篇ノンフィクションが収録されています。単行本未収録の「危機の宰相」では60年代前半に首相を務めた池田勇人の「所得倍増計画」にスポットを当てて、池田の裏側で強力なブレーンとなった下村治と第3の男の存在が描かれています。沢木耕太郎の初長篇となった「テロルの決算」では社会党委員長浅沼稲次郎を刺殺した17歳の少年、山口二矢(おとや)の早逝が克明に描かれています。一方、浅沼稲次郎の数奇な生涯も丹念に綴られており、両者がクロスする瞬間まで一息に読ませます。巻末では当初「1960」3部作が計画されていた当時の沢木の状況が描かれています。題名の通り、それは「未完の6月」となりました。
7 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
「危機の宰相」は人物の評伝としては面白いが…,
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レビュー対象商品: 1960 沢木耕太郎ノンフィクション7 (単行本)
本書は1960年の日本を見つめた二つのノンフィクション「危機の宰相」と「テロルの決算」を収録した一冊。「テロルの決算」は社会党委員長と彼を暗殺した少年とが時代の中で鋭く交錯していく様を描いた傑作で、私も文庫で一気呵成に読んだ記憶があります。今回私が「1960」を手にした目的は、これまで単行本では読めなかった「危機の宰相」に目を通すことにありました。「危機の宰相」は池田隼人首相が推進した所得倍増政策の誕生から終焉までを追っています。 物語の中心は、池田隼人と彼のブレーンであった下村治と田村敏雄の3人です。池田・下村・田村は全員が大蔵官僚の出身。しかし決して順風満帆な出世コースを歩んだわけではない「敗者」の3人が、高度成長路線を理論構築していきます。自民党内部にも世論にも彼らの考えを夢想・空論として嘲笑うかのような雰囲気が一時漂いますが、彼らの目標がどう実現していったかは歴史が示す通りです。 それぞれの人物評伝としてはなかなか魅力的な一冊といえます。彼らとそれぞれの妻とのちょっとしたエピソードなどは生身の人間である彼らの一面を見せており、大変興味深く読みました。 しかし本書は、そもそも私が本書を手にした際の欲求には応えてくれませんでした。 私はまさに高度経済成長の落とし子です。生まれた時からテレビも洗濯機も冷蔵庫も身の周りにありました。私を形作ったといっても言い過ぎではないあの経済成長のからくりはどこにあったのか、改めて知りたいという欲求があったのです。 つまり私が知りたかったのは、高度成長の背景である人物伝や論理構築ではなく、池田政権の個別具体的な金融財政政策です。3人を中心とする高度経済成長論者たちが日々お題目を唱えるだけで日本経済があれだけの飛躍を遂げたわけではありません。本書はそうした政策史が描かれているわけでは残念ながらありませんでした。
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