あまりにもチープなサウンド、恥ずかしくて他人には決して聞かせたくないと思ってしまうようなバンド。それはこのマキシにしても同じこと。ただ、どうしようもなく個人的な思い入れ・愛着のある作品。「帰国第一弾!」という、ツッコミどころ満載な帯のうたい文句が笑えます。うさん臭さ満点だが、何だか憎めないとか思ってしまうのは私だけ?ナルシストもここまで極めれば納得するしかない…と言えるかもしれない、そんな芸風。
「1945」は賛美歌で一番好きな曲。私が賛美歌を聞こうと思った当初の目的「マリスミゼルに通じるものを持った音楽を聴きたい」という部分を、かなり不完全な形でではあるが、その願いを少しだけ叶えてくれたのがこの曲だった。細く美しい歌声、暗く悲壮感が漂う、悲劇の主人公になり切って溺れるようなメロディー、安っぽくてベタだが荘厳でクラシカルなシンセ音と、ほんの少しだけだがクラシカルな旋律を奏でるエレキギター…それらの要素がそろっているだけで、それ以外の部分がどうしようもなくダメでも許せてしまう。あくまで個人的な趣味だが。孤独感に溢れ、ため息をつきたくなるような歌メロが好きだ。「Shade of Pale」はムーディーで陰鬱。さびれた暗いバーでグラスに浮かんだ氷を見つめているような雰囲気。おしゃれなピアノが響く。自分自身に酔いまくって囁きかけたり吐息をつくようにして歌うスタイルはある意味、芸として完成されていると言えなくも無い。最後に残される寂しげなギター旋律が良い。「Message from 1945」は「1945」のリミックス。ナルシスティックで絶望的な語りを乗せている。「咲き乱れた花のように」は思わず笑ってしまいそうなくらい安っぽい。かなり意味不明な囁きも笑える。ギターソロがラレーヌ風。旋律そのものはけっこうマリスミゼル的な部分もあるのですが、有り得ない位にスカスカな音。