野口悠紀雄教授の日本経済論の根幹を成す「日本的なものの多くはいわゆる戦時体制に由来する」という仮説を説いた書。95年に初版が出ており、今回は02年に次いでの二度目の改訂のようで増補版と銘打っている。終章の第11章のみが書き改められただけで、あとはあえて95年初版当時のままだという。
個人的に野口教授の著書を20年近く読んで来たので、内容に全く違和感も無いが、問題は書中でも指摘されているが、今なお戦時体制がそのまま存置されている部分が日本経済にあり、それがボトルネックとなっている可能性があるということだろう。とりわけ、官よりはむしろ民の部分でその様な傾向が強いと指摘をされていることは興味深い。
著者は今なお、経済誌等に積極的に寄稿されているので、その主張をご存知であればあえて今更読む必要は無いかと思われるが、そうでないのであれば一読の価値はあるだろう。