わたしがこの小説を買った理由は橋本紡の新作が載っていたからだ。ほかに読んだことのある作者はいなかった為、新規発掘を試みるつもりでもあった。
入間人間は名前だけ知っていたが、読んだことはなかった。ただここに載っている『19歳だった』は長いだけで、明らかに短編ということを想定してない設定。同じ設定で長編を書いたのなら面白いと思ったが、これは消化不良だった。
面白いと思ったのは紅玉いづきの『2Bの黒髪』。
素朴な学園もので設定こそ有りがちかと思ったが、予期せずして泣かされた。気になって同作者の長編も読んでみたが、同じように泣かされた。確かな筆力はあるようなので今後も期待していきたい。
本命の橋本紡はいつもの作風だった。
悪く言えば無難。扱っているテーマが使い古されているため、書くことが難しいことはわかるが……。
ただ文章は他の四人の作家に比べて一番綺麗で読みやすかった。コンスタントに長編を書き上げてくれると申し分ないのだけど。
全体として、読めない作家はいなかった。
ただ他のレビューで自分の価値観を一般として考えている人がいたことに残念な気持ちを抱かざるを得ない。
自分がどう思おうと、それを他の人に強要すべきではないと思うのだけど。