「ニート」の登場で、ちょっと前まで目の敵にされていた「フリーター」が妙な市民権を得て来ているような気がするのは私だけでしょうか?
ただ相変わらず若者問題は、「やる気のない」意識に封じ込められがちなように思います。その一方で若者の自立問題は、実は社会全体の問題なんだと、社会構造的に議論を進める人たちも出てきてはいますが。
そんな議論に対してこの本の面白い所は、調査対象の若者たちを高校卒業段階から継続的に追っているところです。だから「危険な若者」みたいな漠然としたイメージとか、高みから対象に距離をとった変な抽象化とかはないです。
むしろ実際の高校生(卒業生)への継続インタビューを通して、かれらが日々何に直面しているのか、ということをリアルに描いています。経年的な視点なので、注目する課題も断片的でなく、分析も具体的です。そのあたりは新しい本ではないでしょうか。
ただ、調査は途中だそうで、この先も気になります。というか、かれらがどうやって今を生き抜くのか。実際その様子も書かれていますが、一人ひとりの更にその後も気になります。