これは面白い。次から次に、これでもか、これでもか、と「魔王」が出てくる。オーソドックスな魔王もいれば、ちょっとひねった魔王もいる。おっ。ここにいるのは四の字固めの魔王ではないか。ドイツ語14曲、フランス語2曲、英語1曲、そして日本語1曲と言語も多彩だ。何度聴いても、ずうっと聴いても飽きない一枚だ。
解説書も行き届いていて、楽曲の解説に歌詞対訳が付き、歌手(奏者)についても一人ひとり丁寧に紹介している。何から何まで楽しいCDだ。
ただ、全部が全部、古い。1906年の録音が最古。一番新しいのでも66年だ。その間に27年、
29年(2曲)、30年(同)、32年、34年、36年、37年、39年、43年、49年、50年、58年、59年、65年の録音がぎっしり並ぶ。ただし、年代順にはなってない。どうせなら、古い順番に並べるともっと良かったのに。
そして、どうしてもっと新しい人たちの録音を収めなかったのかということだ。たしかに、新しい分は市場に出回っているから、容易に手に入る。それはここでは必要ないということか。
ならば、このCDは“資料的価値”に重きを置いているのか。う〜ん。そういう側面もあるかもしれないなあ。あぁ、著作権というのもあるのかしらん。
古い録音はそれなりに良いのだけれど、新しい、素晴らしい音響の魔王もあると、緩急整って最高なのになあ、と思うのは的外れなのだろうか。