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1665 古代ギリシアの歴史 ポリスの興隆と衰退 (学術文庫)
 
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1665 古代ギリシアの歴史 ポリスの興隆と衰退 (学術文庫) [文庫]

伊藤 貞夫
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

西欧文明の源流・ポリスの誕生から落日まで先史文明から諸王国の崩壊を経て民主政を確立した都市国家。ペルシア戦争に勝利し黄金期を迎 えたポリスがなぜ衰退したか。栄光と落日の原因を解明する通史の力作

内容(「BOOK」データベースより)

小王国分立から、外敵の侵入による混乱の時代を経て、紀元前八世紀に都市国家・ポリスの成立を見た古代ギリシア。民主主義の原点として、前五世紀に黄金期を迎えるポリスはいかに発展し衰退したか。アルファベットやオリンピア競技、ホメロスの詩、ソクラテス、プラトンの哲学など西洋文明の源流をたずね、古代ギリシアの栄光と落日をたどる名著。

登録情報

  • 文庫: 320ページ
  • 出版社: 講談社 (2004/7/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061596659
  • ISBN-13: 978-4061596658
  • 発売日: 2004/7/10
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.4 x 1.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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14 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By atopos
形式:文庫
1976年に「世界の歴史」第2巻として、出版された本の再版である。
それ以降も、様々な概論書も出版されたかと思う。
また、本書に見える議論も、新しい発見によって、変わったかもしれない。
本書の特徴は、線文字Bの解読という、ドラマチックなストーリーからはじまる、読み物であるという点である。

かなり判りやすいながらも、読者の視点を複眼的なものにするために、説をいろいろと上げている点も、好感が持てる。
古いが、概論書として、大きな筋を掴むために読むといいだろう。
ホメロスや、プラトン、ありとあらゆる古典を駆使して書かれる歴史は、そうだいな物語のようだ。

巻末の資料集は、なかなか使える。なぜか、この部分だけ、改訂され、新しい本もそろっている。

このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ボヘミャー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:文庫
語り口や著述の仕方はオーソドックスなので、
最初にこれに取りかかると、
その達成度が分からずに終わってしまうかもしれない。

ギリシャ関連本を数冊読み、
ペルシャ、ヘレニズム、キリスト教にもそれなりにアプローチして、
中世、近世、西洋史全般を概観した上で、この本を読むと、
ギリシャ世界の様々な事柄が非常に良く理解できる。

ギリシャというとアテネでありスパルタであり、ホメロスであり、ソクラテスであり、
ヘロドトス、トゥキュディデス、ペリクレス、パルテノン神殿、ギリシャ悲劇などだが、
この本は、それらの主役たちが出てくるまでに200ページが費やされている。
その部分が充実していて面白く読める。

さらに特筆すべきは的確な地図の挿入だ。
歴史書でも、主要な地名の場所を特定できないような本さえある中で
この本の地図は素晴らしい。
あるべき場所にあるべき地図が、見開きなどで大きく登場する。

それ自体起伏に富んだギリシャ世界の全体
(つまり西洋世界の原点にある地中海世界)に、ひたれる喜びがここにある。
このレビューは参考になりましたか?
形式:文庫
原著刊行1976年、
300ページほどのハンデイな一冊ながら、
古代ギリシアの全体像を得ることができます。

紀元前2000年あたりのエーゲ海文明が生まれ、
そして時は流れて前700年、
ホメロスの『イリアス』『オデッセイヤ』の時代ポリスが成立。
ドーリア人はドーリア人同士、
イオニア人はイオニア人同士、
各種族ごとに街ポリスを作り、
スパルタ、テーベ、キリンス、アテナイと名乗ります。

たとえばアテナイならば、
小高い岩の丘の上にあるアクロポリスは
アテネの守護神アテナ女神の聖域、
神殿が建てられていますね。
丘の上には城塞がある、むろん外敵からの護りです。
アクロポリスのふもとにアゴラと呼ばれる広場(アゴラ)があって。
ここが政治、経済の中心。
ポリスの市民たちは暇があったらここに集まっておしゃべりや体操をします。
その周りに市民の住宅が密集。城壁が街を護っています。
ポリスの周辺に農地があってこれもポリスの領土です。

それぞれのポリスが独立自治をおこないながら、
同時に連邦としてまとまりをもちます。
連帯の象徴が、オリンピア競技の成立、
全ギリシア人が参加して競技をおこないます。
国家を国家として維持するためには軍備が必須、
重装備歩兵制が成立します。
左手に円形の大盾を、右手に槍を装備し、
露出した右半身を右隣の兵士の盾に隠して進みます。

アテナイではペリクレス(前495年? - 前429年)が民主政を確立します。
(もっとも民主政と言っても、市民は全人口の一割。
また、著者は、古代ギリシアの民主政のどくとくなおもしろさとして、
『イリアス』のなかの「アキレウスの盾」を紹介します)。
さて、アテナイに民主政は成立したものの、
あっというまにペルシア戦争です、
ギリシシア人たちは、自由のための戦いなんちゃって、
あらゆるポリスが一丸となって戦います。
ギリシアは勝って、飲めや歌えや大騒ぎ。
アテナイは、パルテノン神殿なんか建てちゃいます。

しかしこれがスパルタを怒らせます、
あらゆるポリスが力をあわせてペルシアと戦ったのに、
アテナイばかりが勝手にカネを使っておかしいぞ、ってわけです。
いいえ、著者はもっと上品な言い方で、
トゥキュデイデスの『歴史』を引きます、
なぜペロポネソス戦争(前431年 - 前404年)が起こったか、
それはアテナイが帝国的圧制を推し進めたからだ。

さて、ペロポネソス戦争にあたって、
ペリクレスは城壁内に篭城する作戦を取り、
緒戦では巧くゆくものの、しかしアテナイにインフルエンザが蔓延し、
人口の三分の一を失ってしまいます。
とうぜんペロポネソス戦争はスパルタの勝ち、
しかし負けたアテナイはもちろん、勝ったスパルタでさえもが、
戦後は国土は荒廃し、人心はすさみ、
すべてのポリスが凋落してゆきます。
これがプラトンが『国家』『法律』を書き、
アリストテレスが『政治学』を書き、理想のポリスを論じた時期であることは、
かれらがなぜそれを書かずにはいられなかったか、
その執筆動機を察するに余りあります。
しかし、かれらの努力にもかかわらず、ポリスは没落してゆき、
著者は「ミネルバのふくろうは夕暮れに飛ぶ」とつぶやく。
ざっと、こんなストーリです。

余談ながらぼくがおもいだすのは、
こんなエピソードです。
英国人のアーノルド・トインビーが、
第一次世界大戦中に、
授業でペロポネソス戦争を論じていました、
教室の外は雨、不意に落雷が光ります、
その瞬間、黒板に向かうトインビーの表情が曇り、
右手のチョークがポキリと折れます、
トインビーの脳裏に昏い予感が走った、
もしかして、自分がいま論じているペロポネソス戦争と、
自分たちがその渦中にいる大戦争には、
平行性があるのではないか。
すなわち、われわれの文明も、
これから崩れ落ちてゆくのではないか。
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