馬場さんが、自分が戦ったレスラーから百人を選んで語った本だ。
百人と言うと多いようだが、実際は3百人以上いたようだ。そして、馬場さんは、この本に登場させなかったレスラーでも、戦った相手で思い出せない相手は1人もいないと言う。
さて、この本は、単なるレスラー評とか、1レスラーの思い出話などというものではない。馬場さんの、愛に満ちた人間性にうっとりとさせられるもので、大袈裟かもしれないが、友情とは、人間とは、人生とは・・・といったことを教えられ、考えさせられる名著中の名著なのである。
馬場さんが素晴らしい親友達を持っていたこと、そして、生涯に渡ってそれを育めたことがよく分かり、羨ましく思うと共に、やはり人間は心であると強く感じた。
アメリカのレスラー達も、決してビジネスライクでもドライでもない。「義理、人情でなら動くが、金では動かない」という信念を堅く守るレスラーも多いのだ。それも昔の話かもしれないが、アマチュアも含めて拝金主義に陥った現在のスポーツ界とは全く異なる世界がここにあると感じる。
そして、どのレスラーも本当に強烈な個性があり、読んでいて文句なく面白かった。特に、あの時代のレスラーを知る方々にとっては、意外な面も知ることができ、興味深いに違いない。