身長150センチの著者がその背丈から見える世界を漫画で綴ったエッセイ・シリーズ第三弾。
今回は、「世界一平均身長の高い国」オランダへ赴きます。本書によれば、ホテルの部屋のドアについている覗き穴の位置が床から165センチ、家庭の台所のシンクの高さが97センチ、洗面台の鏡の位置が150センチ、と何から何まで長身者の体型にあわせたつくりであるため、極端に低い著者ならずとも多くの日本人には大変暮らしにくい環境が広がっている様子をコミカルに描いています。
ただし、前二作に比べると今回は際物っぽい印象を持ちました。これまでは日本の社会環境がいかに「平均的である人々」に向けたつくりになっていて、平均からはじき出された著者のような人々に対して優しくないかということを、身長175センチの私のような読者に気づかせてくれるという効用がありました。
しかし今回はオランダ人の世界へ入り込んであれこれとかの地の大きいことを描写していますが、それが面白おかしく見えるように身長の低い著者を置いてみたという「企画物」的一冊となっています。オランダ人にしてみれば「大きなお世話」という思いが残るでしょう。
シリーズ三作目で、お金はあるけど企画力に枯渇しかけている。そんなこともあって今回は星3つということにしておきます。