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本書に対する他の読者のレビューを読んでハッとさせられたのは、著者同様に150センチ前後の読者の中に、自分の身長の低さを改めて突きつけられたようで不快感を覚えたり、本書を笑いながら読んでいる高身長の人の姿が思い浮かぶようで侮辱を感じたりしている点です。
私は身長が175センチあり、同世代の中ではどちらかというと平均以上の上背があります。私のようなものがこの本を「面白かった」と言うと、そのことを苦く感じる人がいるという事実はきちんと受けとめたいと考えます。
ですが、私は本書を著者のような小柄な人々を小バカにしながら楽しんだわけでは決してありません。むしろ、大切な事柄に気づかせてくれる書として興味深く読んだのです。
我々が暮らす社会は「標準」や「平均」というものに基づいてデザインされてきました。なぜならそれは高速大量生産という近代システムに好都合だからです。
その結果、基準値からはずれる少数の人々にとっては随所で生活の不便を感じる世界が生まれました。車椅子では移動しづらい段差のある歩道。車両優先で高齢者には障害でしかない歩道橋。左利きの人を省みない自動改札機。働きながら子育てをする女性に不十分な支援制度。お国訛りを一段低く見る中央集権体制。
世の中の全員が東京出身で中肉中背の右利き現役男性サラリーマンではないというのに。
本書は「自分ではない誰か」の立場に立って世の中を見ることの大切さを教えてくれているのです。そして他者の視点を保ちながら生きる習慣を人々が身につければ、この世の中はもっとずっと良くなるのではないかと思います。ですから、笑ってばかりはいられない本書を多くの読者が手にすることを私は願っています。
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