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15歳の寺子屋 ひとり
 
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15歳の寺子屋 ひとり [単行本]

吉本 隆明
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 1,050 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容説明

15歳男女4人への寺子屋授業、その実録 届かなかった言葉こそが、自分にいろんなことを教えてくれた。自分や誰かの言葉の根っこに思いをめぐらせることは、人が孤独をしのぐ時の力に、きっとなる。

内容(「BOOK」データベースより)

「さあ、どうぞ。もっとお楽に。お行儀悪くなさってください。どんな質問にも、正直にお答えします」15歳の男女4人を相手に1年にわたって行われた、小さな寺子屋授業。今では「戦後思想界の巨人」と呼ばれる吉本隆明さんも、子どもの頃、人と話すのは苦手でした。でも、届かなかった言葉こそが、自分にいろんなことを教えてくれたといいます。自分や誰かの言葉の根っこに思いをめぐらせることは、人が孤独をしのぐ時の力に、きっとなる。進路、文学、恋愛…、考え抜かれた言葉の数々に、心が鍛えられる授業です。

登録情報

  • 単行本: 98ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/10/19)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062165651
  • ISBN-13: 978-4062165655
  • 発売日: 2010/10/19
  • 商品の寸法: 19.4 x 13.4 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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23 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
1年間にわたる、15歳の少年少女4人を相手に人生の質問に答えた吉本さんの言葉が凝縮されています。

自身の少年期・青年期の体験が率直に語られます。
また、夏目漱石、芥川龍之介、田山花袋、太宰治、宮沢賢治に対する批評、
親鸞の「行きがけ・帰りがけ」の道についても語られています。

おおむねすでに語られている事柄ですが、「15歳」向けに切り口・語り口を少し変えています。
目新しい点としては、西行の「小夜の中山」についての印象深い解釈、
創作の本質は<転換>にあるという説明、
人間は平等であり、世界史の「段階」に違いがあるだけだという主張があげられるでしょう。

そして最後は、
「いろんな厳しい時代があっても、今がこうしてあるというのは、
人間がそこをくぐり抜けて先へ行くっていうことを
諦めてしまった時代はこれまで一度としてなかった」
と結ばれます。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 震災後(直接の被害がほぼなかったのに)何も手につかなかったが、やっと読書をという気になり、手にした一冊が本書だった。記されたことは今の心に響き励まされた。
 15歳(4人)からの質問が各章の初めに示され、著者の応答は次のように展開していく。
 質問者の思いと同じく、著者も同じ年頃にひとりでこもりがちだった。人にわかってもらえた気がしないときに、いいたかったことを紙に書いて残すことにした。〈書き言葉〉は自分の心の中に降りていくための道具だった。人には誰でも、まだうまく言葉にできない思いがあり、沈黙もまた言葉である。才能があるとかは問題ではなく、手を動かして〈質より量〉で十年やって身につけたものには、その人にしかできない表現が必ず出てくる。
 ひたすら手を動かしてさえいれば、性格、主義、失敗とかがんばり方とかがひとりでに決めていくものがある。さらに、それぞれの時代に訪れる避けがたいもの(例えば戦争)を受け取るだけ受け取り、その消極性で世の中とつながっていくこと(だけ)が、人が「生きる」ということではないか。人がいろいろ迷い悩むのは行きがけの道だからであり、そこでは普通の人(偉い人ではない)こそ人間であり、普通の人に近づくよううんと努力する。どんな表現(音楽や文学、その他)でも、自然に見えれば見えるほど、ものすごく考えて工夫したんだろうなあという感じがするものだ。
 世界(文明)のちがいは本当はたいしたものではなくて、人が平等に見えないのは、〈ヨーロッパ的段階〉〈アジア的段階〉〈アフリカ的段階〉をわけて考えないから。文明の違いは、人間の優劣には関係のない〈段階〉の違いにすぎない。
 戦争と平和のどっちがいいかといっても、両方ダメで代わり映えしない。今は平和で平穏と思われているが、内面的な精神の問題をかいくぐっていくには、相当難しい時代に移りつつある。孤独の問題に耐えきらないといけない。人間はかわいそうなもんだが、それでも生きていくのは、先があるから。それは「かわいそう」っていう意味を遙かに超えていく力が自分に備わってること。今がこうしてあるのは、人間が先へ行くことを諦めてしまった時代はこれまで一度としてなかったから。

 以上が、語られたおおよそ(恋愛の章などつなげにくいところは一部省略)だ。著者は最後の方で「僕の今の予想だとたぶんここ数十年は大変な変化やふいうちをくらうことが出てくるようには思えない。〜今、みなさんの前に広がっているのは、十年単位の無造作極まる現実です」(p.85)と記した。この予想は突然の東日本大震災で打ち砕かれた。だが、著者の言葉は震災をくぐり抜け、今もなお生きていると思えた。
 ひとつ、著者に聞いてみたいことがある。先の世界史の3つの〈段階〉を、グローバリズムは先端技術(科学技術とか金融技術など)で巨大津波を発生させ、世界(の至るところ)を呑み込み、3つの段階をめちゃくちゃに混融し復元不能にしたように思えるのだが、どうなのだろう。悲観しすぎなくていいのだろうか?
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ1000レビュアー
形式:単行本
 夏目漱石や芥川龍之介の話が引用されているが、なかなか含蓄のある
いい話が満載している。15歳の子ども達だけでなく、広く読まれてい
い本である。吉本'髢セは、やはり新左翼の思想家のイメージを払拭でき
ないが、この本に限って言えば、人生の達人の話であった。とくに、親
鸞の話のところは妙に印象深かった。とてもいい本である、オススメ。
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