ART-SCHOOL2年半ぶりのニュー・アルバム。
全13曲だが一曲一曲の尺は長くない。割とサクッと聴ける。聴きやすさでは随一かもしれない。
そしてメランコリックなギターロックチューンが殆どでもある。
「左ききのキキ」では原点回帰ともいえるガレージ色を強調し
「ILLMATIC BABY」ではエレクトロでダンサブルな雰囲気も取り入れた新機軸の作品として、
作品ごとに明確な目的があった訳ですが
この「14Souls」はそもそも目的意識がないように聴こえるというか、
言ってしまうといつも通りのART、ARTっぽいARTを体現しているというか
安定したソングライティングを聴かせるアルバムなのかなあ、と。
事実一曲ごとの質は高く、クロマニヨンズやスピッツの領域に入ってきたのかなとも感じた。
これで完成形というか。
海外でレコーディングを刊行しいつもとは違う趣きを見せた「PARADISE LOST」や
光やささいな幸せを歌うことを受け入れた変化作の「Flora」と比べると
アルバム自体のカタルシスは高くないし、新鮮味も薄い。メロディもそこまでの決め手はない。
しかし、とはいったものの別に完成度が低いアルバムという訳でもない。
木下理樹が作るメロディはどこから切ってもおいしいし、バンドの演奏もいつもながらの緊張感が宿っている。
比較すれば物足りないが、比較しなければ物足りる。そういうアルバムだと思います。
ただ、ここまで一貫した世界観で持ってアルバム1枚聴かせられると、逆にある種の覚悟を感じるというか
ドロドロのままで進む決意を固めたような印象も受ける。「14Souls」、個人的には受け入れたい。