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39 人中、29人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
社会を生き抜くための一冊,
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レビュー対象商品: 14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に (単行本(ソフトカバー))
ほかのレビュアーもふれている通り、”社会学”の入門書ではなくて、宮台流の社会の渡り方指南本です。まずは、承認、感染、世界と社会、といった”宮台用語”に面食らいます。ですが、この用語を腹に落とし込んでおかないと、理解が半分もできなくなってしまうので、ここでくじけないようにがんばってください。 ちなみに「感染」については、私は「理由なく夢中になってしまうこと」と理解しました。ミュージシャンのファンになったときに、そのミュージシャンの曲を片っ端っから聴いたり、その人が影響を受けたミュージシャンの曲も聴いたり、その人の愛読書を自分も読んだりする…そういう行動のことかなと。 エリートと非エリートが厳しく峻別されていく社会の中で、後者の”非エリート”が、エリートに不当に搾取されることなく、それなりに幸せに生きていく方法を考える…というのがひとつのテーマ。 たとえば、今、社会人として働いている人であれば一度は耳にしたことがあるだろうフレーズ「仕事で自己実現をしよう」。 実際には、仕事で自己実現ができる人なんて、ほんの一握り…いえ、ほんの一つまみ。なれない人のほうが圧倒的に多いのです。じゃあ、一つまみからこぼれ落ちた人は不幸になるしかないのか?そんなことはないはず。 熱中できる趣味や、自己実現につながる趣味を両立できるような仕事に就くことも、ひとつの選択肢なのだよと勧めています。 「仕事で自己実現!」という美しい建前を正面から主張する人にはしかられそうですが、「趣味と両立できてそこそこ食える仕事」に就くほうが現実的であり、幸せに生きることができる人の方が多いかもしれません。 もうひとつの大事なテーマは、「自分で考える力を養うこと」。 宮台氏といえば、性愛についての論が有名ですが、こちらについても徒に開放を唱えているわけではありません。 たとえば近親姦は遺伝学的理由だけでなく諸処の理由によって”ダメ”とされているわけですが、ちゃんと自分で”ダメ”とされている理由を調べて、リスクを調べて、自分で決めなさいと説いています。 現実の社会を生きるときに必要なのは、建前を素直に信じて”バカを見る正直者になる”ことではなく、「どうしてそういうことになってるのか?」を理解し、その上で決断していく力。 失うものもリスクもすべて承知で駆け落ちするのも、熱い想いはなくても安らぎと安定を求めて見合い結婚するのも、自分の決断であるべき。 この本は、幸せで、納得いく人生を歩むためには自分で決断していくことが大切なのだというスタンスで書かれています。 与えられた環境で自分のベストな決断を下すために必要な武器…ものを考える方法そのもの、考えるきっかけや判断材料になる知識の大切さとヒント、決断のための心構えを書いた、トラディショナルな若者向け人生訓です。 けれど、建前でない大人の本音が隠さずに書かれているという点で、この本は巷の似たような本と一線を画します。 私が14歳の時にこの本があったらよかったなぁと心から思いました。
207 人中、143人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
子どもまで巻き込むなよ,
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レビュー対象商品: 14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に (単行本(ソフトカバー))
途中、固有名詞の指示作用に触れてクリプキを援用する件りがある。「固有名の同一性は〈世界〉の単一性と同じ」と押さえ、「だから、『記号』ではなく『固有名詞を持つ入れかえ不可能な存在』とつき合うとは、そういう固有名を持つ相手が存在するような〈世界〉であることに ― つまり〈世界〉が〈世界〉であることに ― 感謝するということだ」(p84)と展開させる。しかし、なぜここで「感謝」なのか?著者はあとがきに、ヒントを出している。ただし、あまりにあからさまなので、多くの読者は読み過ごしてしまうかもしれない。 あとがきは、現在2歳の著者の娘さんの「名前」の話から始まる。そして著者は、娘さんが14歳になったときに彼女に語りかけるべき言葉を意識しつつ本書を書いた、と言う。要するに「固有名」とは本書の宛名たる娘さんであり、〈世界〉への「感謝」とは、そのような娘さんを授かった幸福への「感謝」に他なるまい。 私はこの著者がいつかこういう本を書くだろうと、確信していた。いや、私だけではないだろう。そうでしかあり得ないことに誰もが気づいていたはずだ。他方で私は、その予感の現実化を残念にも思う。 著者の論法は、明らかに自己啓発セミナーの流儀に通じている。人々の潜在的不安につけ込み、論理的トリックの限りを尽くして通念に揺さぶりをかける。そこまでは良しとしよう。私が許しがたく感じるのは、そうして液状化させた人々の意識を、著者の個人的な「自分探し」に回収しようとするところだ。それは「14歳から」に向けたと称する本書でも変わりない。そして著者は、これを「ソーシャル・デザイン」(p203)と言い募るのだ。 あなたが幸福を得たことについて、私はとやかく言うつもりはない。しかし、結局はファミリー・ロマンスの圏域を抜けなかったあなたが、「〈世界〉への感謝」などと呟くのは〈世界〉への冒涜ではないだろうか。
29 人中、20人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 2.0
説教臭くなって、大川隆法か?と思った。,
By ビン・ラーディン (大阪市内) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 14歳からの社会学 ―これからの社会を生きる君に (単行本(ソフトカバー))
ブルセラ学者としてマスコミデビューした頃から、テレビでの胡散臭い外見とは裏腹な、その深い学識とリベラリストとしてのスタンスに基づいた著書や対談集は、大体読んできて、高く評価してきたのだが、さすがにこの本はもうイケナイ。「14歳からの〜」と冠せられたタイトルの類書と同様、本書も又、読者の多くは実際には成人であろう。まず今の中学生は宮台真司の名前は知らないし、社会「学」に関心を持つ可能性は少なかろう。読者の殆んどは、私のような旧来の宮台本読者、乃至は宮台に何らかの関心を持っていた者、つまり1990年代に物心付いていた世代であろう。著者も勿論その事は意識して、著述している筈だ。マジで中学生に読んで貰おうと思っているのなら、相当な勘違い野郎だ。 しかるに、旧宮台読者には、あからさまな転向宣言の書と映る。自己宣伝と独自の用語で煙に巻いて丸め込む叙述スタイルは、昔のままだが、根本的立場が「感謝」だとか「承認」だとか「愛」だとかなんか宗教めいてきていて、かつての「意味は無い、強度はある」っていう何でもありの相対主義との乖離が著しい。読んでいて大川隆法の著書を想い出した程である。 ま、取りあえず次の『日本の難点』を読んで、本書の真意が分かるのではないかという期待感も少しはあるが、、、。
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