ゾロサン好きな人達なら知らない人は居ないと言っても過言ではない同人作家139さん。最近では商業誌でも秀逸なオリジナル作品を発表
されています。既に数社からゾロサン作品集として過去の作品群が単行本化されていますが、今回は2005年に3冊に分けて発表された長
編「LOOP」シリーズを、コンパクトなコミックとして1冊に纏めたもの。実は過去に07年に再録本として一度纏められたのですが、同人イベン
トに足を運べない、ゾロサンの魅力に嵌るタイミングが遅かった等の理由で未読の方も多いのではないでしょうか。
この長編、一言で説明すると「ゾロが少年期の姿に縮んでしまうお話」です。普通なら一発アイデアとして一冊で完結しそうなシンプルなテー
マですが、これを150P以上もの奥行きあるストーリーに膨らませてしまうのが139さんの凄いところ。話の中身は詳しくは書けませんが、少
年期のゾロが抱える「人を殺める」ことに対する苦悩の姿を通して、麦わら一味として出会った頃の命知らずな彼へと変化するまでの知られ
ざる一面を知るサンジ。最初は素直な態度のちびゾロに優越感と愛情を示していたサンジが、次第に苛立ちを感じ始め…サンジの感情が爆
発するクライマックスの戦闘シーンは必見です。終盤の洒落た締め方も素敵。
ゾロサンと言いながらも、カップリングを匂わせる場面は抑えめの本作ですが、秀逸なストーリーテラーとしての139さんの魅力がぎゅっと濃
縮されています。若干オリジナル風にアレンジしながらも原作絵に近い絵のレベルの高さは安心して読めますし、今回描くキャラの萌える
表情が多いのが高ポイント。特にサンジにキスをされてキレながらも真っ赤になるゾロの表情の可愛さは最高!!他の麦わら一味のキャラ
クターも丁寧に描かれているのが分かり、139さんの原作と各キャラクターへの深い愛情を感じることが出来ると思います。
最近の同人誌は、ただ2人のキャラがいちゃついていれば良い、話の推敲は二の次のような「テンプレート同人」が多い気がしますが、そう
いう風潮に飽き飽きしている方、BLに抵抗がなければ是非ご一読をお勧めしたい「これぞファン活動の産物!」のお手本のような秀作です。
※最近商業活動がお忙しい故か、がっつり読めるボリュームのゾロサン新作がご無沙汰な139さん。ファンとして本コミックの様な読み応え
のあるゾロサン新作を待っています。