原題は『Deciphering the Cosmic Number The Strange Friendship of Wolfgang Pauli and Carl Jung』奇妙な友情で結ばれたパウリとユングの宇宙定数の解読。
その後、改題して『137:Jung,Pauli,and The Pursuit of a Scientific Obsession』137~ユング,パウリそして科学的な憑依の追跡。
本書はその邦訳。
ヴォルフガング・エルンスト・パウリ(Wolfgang Ernst Pauli)はノーベル物理学賞の学者で、
カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)は言わずと知れた精神分析学者。
ユングはフロイトに発した精神分析の後を襲ったが、後にたもとを分かち、ヨーロッパの富裕層に精神分析ブームをつくった人として知られる。
さらに後には錬金術やUFOや神秘主義に傾倒していく。日本では、河合隼雄氏親子がユング派として有名だが、哲学や考え方としてはまだしも
臨床医学としてのユング派の有用性は失われているというのが、現在の判断であろう。
さて本書の興味だが物理学者であるパウリが、神秘主義に傾倒していく過程にある。
物理は突き詰めると、神秘主義に陥っていくのか、宇宙を説く答えにつまり、精神をやみ、
そして、パウリはどんどんユングに近づき、共時性(シンクロニシティ)などでは、まさしく信奉者となってしまうのである。
いったいなぜ。
ところで、当時のインチキ降霊術師は大抵こう言うのである。
「名前を売るには一流の物理学者を騙すのがいちばんだ。あいつら結構頭が固いから騙しやすいしな」