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137 物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯
 
 

137 物理学者パウリの錬金術・数秘術・ユング心理学をめぐる生涯 [単行本]

アーサー・I・ミラー , 阪本芳久
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

「137」とは、宇宙のあり方を支配する重要な数、「微細構造定数」をあらわす。このような自然を支配する「数」を決めているのは何か、物理学者は悩まされ続けてきた。
ノーベル賞物理学者パウリは、ある重要な研究により、量子力学が「4」に支配されていることを、図らずも導いた。そして彼もまた「数」に悩まされることとなる。なぜ「4」なのか?
謎にとらわれたパウリは、心理学者ユングと秘密裏に研究を行い、錬金術・数秘術・ユング心理学を使って、探究を試み、やがて「137」の謎にも挑むこととなる――。
物理学と神秘主義の意外なまでの近さを描き出す、スリリングな科学史ノンフィクション。

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ、137という数なのか?ユングとの秘密の共同研究で探究した、物理学の「数」をめぐる謎―。二〇世紀物理学と神秘主義の意外な‘近さ’を明らかにする科学史ノンフィクション。

登録情報

  • 単行本: 480ページ
  • 出版社: 草思社 (2010/12/14)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4794217935
  • ISBN-13: 978-4794217936
  • 発売日: 2010/12/14
  • 商品の寸法: 19 x 13.2 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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20世紀前半,量子物理学の建設に大きな足跡を残した天才的物理学者パウリの伝記である.パウリは精神的な症状を診てもらうため精神分析の大家であるユングと接触するが,これがきっかけとなって,2人の共同研究が始まる.本書はそのいきさつを中心として,パウリの精神生活を描き出す.著者はかなり詳しく文献の調査を行ったようである.この本でみると,ユングは数秘術やオカルトにはまり込んだ,ただのおバカさんにみえる.魔術的な話はばかばかしくて,少々うんざりさせられる.パウリは,夢判断などをユングに聞いているが,やはり数秘術は数秘術として,科学とは一線を画しているようだ.

137という数字は,言うまでもなく微細構造定数αの逆数の近似値であり,電磁相互作用の大きさを示す無次元の数値である.なぜ自然がこういう値を選んだのかは全く分かっていないが,くりこみによる量子補正を受けるものなので,整数137にこだわるのは全く無意味である.またこれを,πなどを組み合わせてこしらえてみても,物理として何の意味もないことだ.本の帯には「なぜ,137という数なのか?」と書かれているが,137に触れているのはほんのわずかの部分であり,本書の主題ではないし,それに対するなんらのまともな回答もなされていない.
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原題は『Deciphering the Cosmic Number The Strange Friendship of Wolfgang Pauli and Carl Jung』奇妙な友情で結ばれたパウリとユングの宇宙定数の解読。
その後、改題して『137:Jung,Pauli,and The Pursuit of a Scientific Obsession』137~ユング,パウリそして科学的な憑依の追跡。
本書はその邦訳。
ヴォルフガング・エルンスト・パウリ(Wolfgang Ernst Pauli)はノーベル物理学賞の学者で、
カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)は言わずと知れた精神分析学者。
ユングはフロイトに発した精神分析の後を襲ったが、後にたもとを分かち、ヨーロッパの富裕層に精神分析ブームをつくった人として知られる。
さらに後には錬金術やUFOや神秘主義に傾倒していく。日本では、河合隼雄氏親子がユング派として有名だが、哲学や考え方としてはまだしも
臨床医学としてのユング派の有用性は失われているというのが、現在の判断であろう。

さて本書の興味だが物理学者であるパウリが、神秘主義に傾倒していく過程にある。
物理は突き詰めると、神秘主義に陥っていくのか、宇宙を説く答えにつまり、精神をやみ、
そして、パウリはどんどんユングに近づき、共時性(シンクロニシティ)などでは、まさしく信奉者となってしまうのである。
いったいなぜ。

ところで、当時のインチキ降霊術師は大抵こう言うのである。
「名前を売るには一流の物理学者を騙すのがいちばんだ。あいつら結構頭が固いから騙しやすいしな」
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 オカルトと科学の「近さ」を再認識させるという限りで意義のある啓蒙書です。科学の専横を相対化するのは大切であり、科学史や思想史の大きな使命のひとつです。生松敬三、木田元、上山安敏らの本と併読すればより展望が拓けるでしょう。マッハ、パノフスキー、ケレーニイ、ショーレムといった人々とパウリの交友を知るのは、楽しくも示唆的で、本書をヴァイマル文化点描としても読むことができるゆえんです。ゲーデルが出てこないのは不思議です。
 原題と大きく離れた邦題はいかがなものでしょう。翻訳は手堅くされていますが、ドイツ語の転記に難があり、文献の邦訳データが5つほど漏れているのが惜しい。「16世紀のケンブリッジ・プラトン学派のトーマス・モア」(342頁)は、「17世紀の……ヘンリー・モア」の誤りでしょう。索引中、J.ダンとJ.W.ダンが区別されていません。
 余談ながら、パウリに比べるとユングが二流だということがよくわかりますね。ユング産業が成立するのはアメリカと日本だけ。これ自体興味深い問題ですが、説得的な議論に出会ったためしがないのは残念です。
 
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