夢中で読んでしまった。ドラゴンズファンであることを心から誇らしく思ったのももちろんだが、200勝という金字塔に至るまでの物語の一つ一つを、昔を思い出しながら読みふけった。ワインドアップ投法へのこだわり、日本初のセットポジション、アメリカ留学とは名ばかりの島流し、ルーキー近藤真一の衝撃、マイナー内野手から教わったスクリュー。思い出の10・8…山本昌が、瀬戸際で前向きな気持ちで腐らずに努力を続けたこと。その努力とは決して根性論ではなく、自分がこの世界で行きぬくためにはどうしたらよいか、分析しながら正しい判断の中で的を得た努力をしてこられたこと。また、様々なシーンで「素晴らしき人たちとの出会い」があったとことは特筆すべきことであろう。山本昌は、野球に対して本当に真面目に取り組んできたのだろう、「神様」がいて、こういう出会いを与えてくれたと思えるほどだ。必死になっている人にはやっぱり、助けてくれる人が必ず現れるのだろう。アイク生原さんはもちろん、トレーニングコーチの小山裕史さんとの出会いもまたしかりである。偶然、不遇であっても、自分が腐らないように考え方を変えて、今の環境で努力する。正攻法で結果を残した山本昌に「自分もそのやり方で頑張ってみます」と言いたい気持ちだ。
星野仙一、高木守道、山田久志、落合博満。山本昌から見たこの方達の視点も素晴らしい。特に私は高木守道さんのファンなのだが、「最も喜ぶ顔を見たい」監督だと山本昌が書いているのを読んで、心から嬉しかった。
普通に社会に生きていて40近くなると、かつての学生のように「目標を持って頑張る」ということが難しくなる。目標がないのではなく、日常の中にノルマとして組まれてしまうことが少なからずあるからだ。どんな小さなことでも続けていたい、この本は私にそんな思いを抱かせてくれた。5月下旬現在、山本昌ファーム調整中。ワインドアップのあの美しい投球フォームを早く見たい。そして、ドラゴンズ浮上のためにまだまだ頑張って欲しいと思っている。また、横浜・工藤公康投手との投げ合いを是非、見たいものである。