劇場のチラシでこの作品を知ったとき、「心臓に悪そう」「このチラシ部屋に飾ったら不吉かな」なんて思ったのを覚えてます。が、実際に観て…
肝心のロシアンルーレットがそんなにドキドキハラハラしない。そう怖くはなかった。
そこで「ん?」だったのが、主人公がただの貧乏青年じゃなくグルジア移民という設定。ドイツならトルコ、フランスならアルジェリア…てのが「いかにも」な移民事情だったりするのに。そりゃフランスにグルジア移民いるでしょうけど。敢えての認知度マイナー。
あと、胴元と参加者との関係性。はっきり言及してないものの、会話の感じから推察するに(飽くまでも私の勝手な想像です)…オッサン麻薬中毒→多額の借金→返済不可→利用価値なし→唯一の有効活用→ロシアンルーレット。構図としてはどこの国でもあり得そう。てか有るだろう。
結局、この映画の焦点は「スリリング!ダイナミック!」じゃなくて、非常に現実的な不穏さや皮肉にあるんじゃないかと。呆気ない悲劇ぶりはヨーロッパの古典と言えます。
シンプルな筋書き、排除された色彩、まとわりつく音楽、大して技巧的でないのもフランス映画の典型。筋道は観客に委ねられているという。
この作品に限ったことじゃありませんが、映画の告知(チラシ、ポスター、煽り文字)はあまり当てになりませんね。所詮配給会社が売るためにやってることですから、監督の真意なんて大概無視です。DVDの作品解説ですら然り。それで鑑賞者に期待のギャップが生じるのは不本意だっていうコーエン兄弟などは自分達で劇場予告を作ったりしてましたね… まあ作品の存在を知るための情報程度に留めておいた方が肩透かしは食わないかな。
個人的には好きな作品です。