シュルツェの10作目アルバム。収録曲名は、シュルツェがリスペクトする人物に因むもの。このCDはRevisited (InsideOutの別レーベル) による2005年再リリースで、ボーナストラックを追加。本編も従来版CDに比べて、大幅に延長されている。従来版CDは、かつてのBrain版Moondawnと同様に、ノイズ削減のためのリミックスが行われ、演奏時間も短縮されていた。Revisited版はオリジナル・マスターテープから起こしたもので、遂に本来の姿を現す名作"X"ということになる。従来版CDの"X"は、正直言って期待はずれだった。シュルツェの曲は、延々と続くシーケンスとリズムをバックに、インプロビゼーションが加わるだけ(あるいは、効果音が続くだけ)という、悪く言えば「どれも似たようなパターン」である。ポイントはサウンドにあり、最高のトランス音楽になるか、単なる退屈な曲になるか、運命の分かれ目といっても過言ではない。従来版の"X"は、繊細さに欠ける大味なサウンドで、魅力が薄かったのである。 Revisited版はライブを思わせる迫力あるサウンドで、包み込むようなエコーに飲まれてしまうほど。確かに繊細とは言えないが、説得力のある作品だと思う。Friedrich Nietzsche は、従来版CDではフェイドアウトされていたエンディングが復刻された。Georg Trakl は、従来版CDでは5分あまりの地味なトラックだったが、その続き21分が公開された。Ludwig II. von Bayern は、従来版CDでは20秒ほど短縮されていたが、全長版に復刻された。Object D'Louis はボーナストラックで、Ludwig II. von Bayernのライブ録音とクレジットされている。スタジオ版よりも、更にオーケストラ主体で展開する。残念ながらヒスノイズが多く、音質もイマイチ。しかし、このリリース自体、大変素晴らしいものなので、気にならないと思いました。
以上は第一印象だが、本編について音質面に重大な問題があることがわかったので☆☆☆減点させていただきました。明らかなリマスタリング失敗です。