この本で紹介されている100冊のセレクトは、この手のブックガイドとしてはとても新鮮だ。
ふつうこういう読書案内って、夏目漱石とか太宰治とかの「名作」が必ず入ってるもんでしょう(この本のそばにあった同系統の本にはやっぱり入ってた)。それがこの本には一切ない。そりゃたしかに「名作」は読めるなら読んだ方がいいに決まってるが、これほど読みやすい小説が氾濫している時代においては、決して読書の「入り口」にはなり得ないだろう。
ここで紹介される本は「大人が子供に読ませたい本」ではなく「現在、ティーネイジャーが楽しんで読める本」を基準に選んである。しかも幅広い年代が楽しめる素敵な本ばかりだ。
私の好きな作家もジャンルを問わずたくさん紹介されている。あさのあつこ、乙一、秋山瑞人、舞城王太郎、桐野夏生、角田光代、佐藤多佳子、森絵都、三浦しをん、川上弘美、金城一紀、荻原規子、藤野千夜、梨木香歩、町田康……などなど挙げるときりがないが、ね?いいセレクションでしょ? ライトノベルもたくさん紹介されてるし、ノンフィクションでもわたしの好きな『調理場という戦場』をはじめとしていろいろなタイプのものが紹介されてる。このほか絵本や短歌など取り上げられた本のジャンルは幅広く、よく100冊に収められたなぁと感心してしまう。一冊一冊に丁寧な紹介がされていて、私自身読みたい本が増えてしまった。
「大人が子供に読ませたい本」のセレクトではないかもしれないけど(わたしは読ませたいけど)、中高生の視点に立てばこれほど良質なブックガイドはないだろう。学校の司書さんとかにぜひ読んでほしいなと思った。