サナギさんで確立された世界観を継承しつつ、
作者らしい独特の視点から日常を眺めるスタンスは
決して他所では見られない深い味を秘めた魅力に満ちている。
絵柄ではなく、文字で惹きつけるのが施川流の魅力の一つで、
漫画があまり好きじゃない、漫画なんて…と思っている人にこそ
ぜひ一読してもらいたい作品。
世の中にはこういう切り口から漫画を描ける人がいることを
多くの人に知ってもらいたい。
普段の何気ない日常に、不思議なスパイスが加わることだろう。
私たちが過ごしている日常は、かくも面白みに満ち満ちているのだ。
独特の発想に、不思議な快感を覚えずにはいられないだろう。
ただ、今回はサナギさんと違い月刊誌の連載で
「12月生まれの少年」の初出は2005年12月である。
2巻が出るとすると、順調に連載したとしても
同ボリュームになるには2年後(2010年)の秋ということになる。
ファンとしては末永く待ちたいところだ…。