施川ユウキが月刊誌「まんがライフオリジナル」で連載していたギャグ4コマ漫画の完結巻。3巻目になるが、ストーリー型でなく1話読み切り型であるためこの巻から読んでも問題ない。
ざっくりした印象を書くと、「子供特有の世界に対する見方・考え方を、大人が咀嚼し直すとこんなに面白くなる」といった感じ。
主人公の柊が、「黒脇」という表札を見て「この人は『クロワッサン』というアダ名で呼ばれているのか・・・?」と思いを巡らしているだけで6ページ描き切ってしまう箇所は圧巻。
次から次へと想像のつかなかったオチが続く。
少年が主人公のギャグ4コマ漫画ゆえに恋愛要素は強調されて描かれなかったが、最終回で一転する。いや、最終回においても恋愛要素は
隠喩的に描写される程度なのだけれど、絶妙な描写とモノローグにより「この漫画は実は恋愛漫画の一形態だったのだ」と思い直させられた。
作者の施川ユウキは『がんばれ酢めし疑獄!!』『サナギさん』などアクの強い作品を描くため好みが分かれたりもするが、
この『12月生まれの少年』は万人に薦められる作品だと思う。
ちなみに「まんがライフオリジナル」ではこの作品は完結したけども、施川の『すべての映画は、ながしかく』という
映画批評コラムはまだ続いている。この作品も映画化してほしいなあ。