組み込みOS自作入門とあるが、最初の半分はブートローダーの作り方について述べ、残りの半分で筆者の作った組み込みOSについて述べてある。この構成が、本書の特徴である。
ブートローダーというのは、プログラムをロードしてきてそのプログラムを実行するためのソフトウエアである。PCの場合、ハードディスクからプログラムを読み込んでWindowsやLinuxなどのOSを起動するためのもので、いわゆるBIOSがこれにあたる。組み込みの場合、ROMからプログラムを読み出したり、シリアル通信経由でPCからプログラムをダウンロードしたりして実行する。通常市販されている組み込み基板では、ブートローダーは既にROMに書き込まれていて、自分で作ることはない。この本では、あえてこのブートローダーの作り方にページを割いている。この前半部分に、CPUの初期化、ROM・RAMの使い方、シリアル通信プログラムの書き方、など組み込みソフトウエアで重要な基礎的な要素が含まれてる。重要だが解説することが難しいい部分を逃げずにあえて解説したところが、この本を類書にはない良書にしている。
後半の組み込みOSの部分は、定番の、割り込み処理、メモリー管理、スレッド、スケジューリング、優先処理などについて述べてある。OSを作った筆者自らが作り方について解説しているので、定番の内容とはいいながら、単なる解説書とは異なりどう動くかがよく分かる解説になってる。
解説の順番が絶妙な配置になっていて、ある程度のソフトウエアの知識があれば、理解できる内容になっている。この本をきっちりと理解できれば、組み込みOSだけでなく組み込みソフトウエアの基礎を習得することができると思う。