投資を専業としない個人投資家としては、炭谷氏の手法は全く参考にならなかったため、Fairy氏の投資日記についてレビューさせていただきます。
Fairy氏が使っておられる手法は5分足チャートを使った単純なブレイクアウト手法で、オーソドックスで多くの投資家に知られています。
1000%を達成した原動力はマーケットのボラティリティが低くなってから、一挙に放たれるであろう動きに予めターゲット合わせる手法にあります。流行のブレイクアウトした流れに乗るのではなく、来るであろうブレイクアウトに備え、何回も繰り返される損切りとさや取りを利用したリスクヘッジ。この乗り切り方についての説明は一般投資家にも参考になる点が多いことは認めます。
ただし、ブレイクアウトが発生するであろうという確信の元にある判断基準は何も明示されておらず、「・・・であれば」とか「・・・して欲しい」と曖昧な表現に終始しておられます。他のレビュアー諸氏は参考になると評価しておられますが、何らかの一般ルールが提示されていない以上、裁量的な手法説明になっています。
タイトルの1000%(10倍)というのも、微妙な表現です。Fairy氏の資金は、手元資金50万円→800万円強→ドローダウンが発生し500万円という推移をたどっています。300万円のドローダウンをどのように受け止めて資金管理をされたかについて記述がありません。価格変動、建玉管理、資金管理をどのように有機的に結びつけておられるのかについても参考になる記述がありませんでした。
本書に登場されるトレーダーの非凡さについて疑問の余地はありません。ただし、「核心となる部分については個人が努力して見つけること」という投資本によくある当たり前の感想をもたらすだけで、新たな視点を得ることは出来ませんでした。このため普通の評価とさせていただきます。