「食べることは、生きること」が、メインテーマです。歯の状態がだんだん悪くなるお年寄りには、何が一番大事か。老いても美味しく食事を頂く。そうすれば長生できるそうです。そのためには、正常な口周りのインフラ(歯・歯を支える顎の骨・それを動かす顔の筋肉・味わう舌など)が、食事に不可欠な口腔器官だそうです。それらの器官の構造、食べる際にそれらが果たす機能、その機能を正常に保つ日常の手入れ法が、解説されています。歯に大事な唾液は、1か所ではなく、3つの腺から分泌されているのを初めて知りました。図入りで示されていて分かりやすい。
その口腔器官の働きを、口内に発生する病菌が劣化させてしまう。老人には、虫歯よりも、歯周病が問題。その病菌を繁殖させないために、必要な日々の口の掃除。特に、歯ブラシを歯間に挿して磨く「つまようじ法」が推薦されています。更に、今回の震災の避難所のように歯磨きができない場合には、口腔の細菌を抑制する乳酸菌生成物の服用も効果的だそうです。
老化対策には、口腔の若さを保つことが大事だそうです。口腔年齢を自分で診断できるチェックリスト。口輪筋の衰えを鍛える方法。就寝中の「歯ぎしり」や「噛みしめ」ですり減っていくエナメル質。その歯ぎしりの原因となるストレスを、解消する自律訓練法の紹介。さらに、養生訓的な食事のとり方の具体的な助言もあります。どれも丁寧に紹介されていて、すぐに実践できそうな方法です。しかし著者推奨の独特の歯の磨き方を実行するには、勇気が必要な気もしました。本書は、年寄り予備軍で、これから老化していく自分の口腔全体の状況とその具体的な防衛対策を知りたい向きには、役立ちそうです。