文章作成に際して気を付けるべきごく基本的な事柄を,要領よくまとめた作文ガイド。論文・レポート・報告書・意見書など,学生や社会人が頻繁に書かせられる文書を,いかにしてわかりやすく明快な文章に仕立て上げるかについて,論文執筆指導の「カリスマ」(と腰巻にあり)が丁寧に解説してくれる。もちろん,高々100ページなので,決して網羅的ではないが,どう書くかについての基本はきちんと押さえてあると言ってよい。
文章全体のわかりやすさを追求する第3章と,個々の文のわかりやすさを解説した第4章とが本書のメインであろう。どちらの場合にも,形式と内容の両面から,具体的な技術をわかりやすい説明で伝授している。しかも,当然のことながら,そうした技術を著者が本書の中で実践しているので,それだけ説得力の増す解説となっている。
実例として挙げられている文章のバカバカしさが脱力感を誘ってくれて楽しいのだが,これが気に入らないという人もいるかもしれない。惜しまれるのは,本の造りが本書の読みやすさの足を引っ張っているところ。もっと薄手の書籍用紙にした方がはるかに読みやすかっただろうし,本文のレイアウトにも工夫の余地があると思う。