著者である澤上氏はいわずとしれたさわかみファンドの設立者である。
このファンドは長期投資を旨として、顧客にノーロードで直接販売を行うという、
アメリカのヴァンガードのような長期投資ファンドの、日本における先駆けである。
さて、本書は本というよりは、むしろ講演を筆記ように読みやすい。
株を買ったことのない人に向って、株式長期投資をすすめるというスタンスである。
逆にいえば、内容としては少しでも投資に興味のある人には
たいへんに物足りないかもしれない。
最重要な指摘としては、日本の過去をみても、
上場株式に投資することは平均の年率で13%のリターンを生んできたということ。
本書にはかいてないが、ちなみにこれはアメリカでも同じである。
これは世界のほとんどすべての先進国で確認されている事実である。
おそらく自由貿易を基調とする資本主義国では、
上場株式のリターンの平均は10%にはなる。
これは7,2年で2倍、40年で約50倍でなる。
経済学では、これはエクィティ・プレミアムと呼ばれ、
大きなナゾとして研究されてきているのである。
日本の資本主義体制が今後も維持されるのであれば、
国内の長期株式投資は、それなりに有望であるといえよう。
当然のことながら、この長期投資を使っては、
どこかのムックにあるように、すぐに数億円をだれもが手にすることはできない、
のではあるが。
どちらが信用できるかは、よく考えてみるまでもないだろう。